佐渡金山の山師探検ツアーで南沢疎水抗へ潜入(世界遺産になる前に急げ!)

南沢疎水抗

引き続きの記事になります。
佐渡金山の山師探検ツアーで大切山抗の坑道内へ探検!(佐渡世界遺産になる前に急げ!)

今回は南沢疎水抗へと佐渡金山の車で移動。金山より少し下ったところにある普段は立入禁止の区域。おそらく佐渡の人もここの存在を知っている人は半分以下でしょう。それぐらいマニアックなところなのです。南沢疎水抗は佐渡金山の鉱山内に溜まった水を排水するためのもので、元禄4年(1691年)に掘り始め、6年後に完成した排水坑です。
長さ922mとありますが、未調査部分を含めるともう少し長いとか。未だに先進的な大学研究所による調査ロボットで、坑内を調査中というまだまだ謎の多い坑道なのです。
南沢疎水抗入り口

ここの脇にあるこの建物。実はこの建物は佐渡の環境を守る重要な施設なのです。
佐渡金山の鉱山内に溜まった水は酸性で、そのまま海に流してしまうと環境破壊に繋がってしまうということで、この施設でph調整してから排出しているのだそうです。皆さん、この事実はご存知でしたでしょうか?
PH中和施設

さて、鉄格子を開けて坑道内へと入っていきます。
南沢疎水抗 鉄格子

安全のために単管を組んでありますが、突起物があったり、足元は滑りそうなところもあり、油断するとキケンな場所です。疎水抗には手すりなどは付いていませんし、落ちてしまうと大変です。携帯やカメラなども落とさないように気をつけましょう。
南沢疎水抗入り口

この南沢疎水抗
の特徴はその掘り方にあります。将棋の駒のような五角形をした形になっているのです。何故急いで掘らせたにも関わらず、このような凝った形状で掘り進めたのかも謎のままなのです。また佐渡金山の資料館にもありますが、6箇所から同時に掘り進めるわけですが、当時機械などあるわけもなくノミのみで掘り進めます。岩盤が硬く1ヶ月に約16mしか進みません。中には五角形の形が歪なところもあり、技術の差で綺麗な五角形のところとそうでないところがあります。
南沢疎水抗

6箇所から掘り進めた南沢疎水抗の貫通点の誤差はわずか50~60cm。江戸時代当時としてはとても測量技術力の高い工事だったと言えます。
蜘蛛の巣間切り

また疎水抗の中にはいくつか妙なノミ跡もあり、これはそのうちのひとつ。
何故か逆卍(ぎゃくまんじ)のノミ跡が残されています。ミステリーな一面も沢山残されている南沢疎水抗。また、天井のノミ跡は「蜘蛛の巣間切り(くものすけんぎり)」とも呼ばれ、水滴が付くとまるで宝石を散りばめたように光って見えます。
逆卍のノミ跡

疎水抗の中にはいくつか落書きも残されており・・・これも謎多き南沢疎水抗のうちのミステリアスな一面といえるでしょう。
南沢疎水抗の落書き
南沢疎水抗の落書き
南沢疎水抗の落書き

私が見ていて神秘的だなぁと感じたのは・・・カビ。
ふわふわの真っ白なカビがびっしりと壁についていたり、ぶら下がっていたり。こんなところに住み着いているカビも、神秘的でミステリアス。
白かび
白カビ
白かび
白カビ

帰りは元来た道を帰ります。
922mの全長すべてを歩くのではなく、そのうちの約200mぐらいを往復した感じでした。

ガイドさんもおっしゃっていましたが、ここの南沢疎水抗の坑道内は世界遺産に登録されたら、おそらく入れなくなるだろうと。
安全のための柵をつけたら、史跡としての価値が下がってしまうし、とはいえ安全確保が出来るようなものでもない。なので、未だ見ていない方はぜひ今のうちに探検してもらいたい。
こういうマニアックな坑道ツアーは、全国でもそんなに無いはずです。

佐渡金山公式HP
http://www.sado-kinzan.com/
〒952-1501 新潟県佐渡市下相川1305番地
電話:0259-74-2389Fax:0259-74-3235
営業時間 4月~10月 / 8:00~17:30 11月~3月 / 8:30~17:00

※既にこのコースは一般の方は入れなくなりました。残念。

当館から佐渡金山までの地図