カテゴリー別アーカイブ: 伝統芸能

能面や鬼面などの神事面を手がける面打ち師


渡邊有恒

佐渡島は鬼太鼓や能、神楽など様々な神事が催される島です。この神事に欠かせないのが「面」なのですが、古くから使われている面も、痛みが激しいものは流石に作り直さなければいけません。この面を作ることを「面打ち」というのですが、佐渡で唯一面打ちをされているのが、渡邊有恒さん(80歳+α)。有恒さんは、県展などにも木工作品を出して数々受賞されている芸術家の方です。

能面、鬼面、大黒舞、春駒などに使う面や、獅子頭などお祭りや神事に欠かせないものばかりですが、各地域で必要とされているのに後継者が居ないのが懸念されているようです。

獅子頭
大黒舞

有恒さん曰く、「面なんて簡単さぁ!」と作業の説明をしてくれるのですが、木材が顔の形になっていく工程を簡単そうにやられるのですが、絶対に簡単ではありませんよね。

鬼面

木材をジグソーで削ります。鉛筆書きのところを削っていくのも簡単そうにやってのけます。

面打ち

ある程度はチェーンソーで削った方が楽なんだ。と言いつつ簡単そうにやってのけます。

面打ち

細かいところを写真や現物を見ながら彫刻刀やノミなどで削っていくわけですが、サクサクと削っている様子を見ていると簡単そうに見えますが、道具の切れ味を保つ手入れや、材の乾燥具合など、細かなところを経験とセンスで仕上げていくのだろうと思われます。有恒さんは「な?簡単だろ?」とは言いますけども。

面打ち
面打ち

道具なんてムサシ(地元のホームセンター)に行けば買えるさ。なんておっしゃいますが、おいそれと揃えられるものではありません。

面打ちの道具
面打ちの道具

この日はちょうど依頼者の鬼太鼓の面を打っていらっしゃったので、その様子を撮影させていただきました。写真を見ながらディティールを仕上げていき、完成へと近づいていきます。顔につけた際にピッタリくるようにさらに彫っていきます。

鬼面
鬼太鼓の面打ち
渡邊有恒

そして、目に穴を開けるわけですが電動ドリルで貫きます。その後ヤスリで削り、後ろの目の部分をすり鉢状になるように彫ります。
面打ち
面打ち

昔は木工細工は当たり前のように専門の方がいらっしゃったのでしょうけど、こうした地域の芸能を支えていらっしゃる面打ち師の有恒さんがいらっしゃるおかげで、地元の鬼太鼓が存続出来ているわけであり、これが島外の木工細工をやる方にお願いするとなると、価格面や納期や仕上がりなども変わってくることでしょう。こういった手仕事を担える人材が現れることを切に願いたいです。

鬼太鼓面

地域の祭りで使われている道具を地域で作ったり直したり出来る環境。伝統芸能の保存というのは、こういったことにも目を向けないといけないですよね。
今回はそんなことを識る大変貴重な機会をいただきました。

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加茂神社夜能 演目 源氏供養


加茂神社能舞台

8月27日に加茂神社能舞台にて開催された夜能を観覧してきました。この日は安寿天神祭りが同畑野地区にて開催されており、大勢の人で賑わっているところから少し離れた神社で催されました。
ちなみに「夜能」と書いて「やのう」と読みます。

主催が畑野能楽クラブ一葉会さん。演目は源氏供養。

地謡

源氏供養は紫式部の亡霊が現れ、源氏物語の供養を怠ったため苦しんでいるところ通りかかった僧に供養を頼み、お礼に舞を舞うというお話。

加茂神社夜能

源氏供養

紫式部の亡霊

仏教では嘘をついてはいけないという、不妄語戒(ふもうごかい)という五戒のうちの一つがあり、紫式部の書いた架空の物語である源氏物語が不妄語戒に反するというのが源氏供養の由来だそうです。

安居院法印

安居院法印

Noh Performance

紫式部

夜能

能舞台

石山観音の化身

最後は光源氏の供養を果たし紫式部が消えていきます。

畑野能楽クラブ一葉会

毎年恒例となっている加茂神社夜能。
他にも佐渡には沢山の演能がありますので、ぜひ演能の機会に合わせてご来島ください。

2017年 佐渡薪能・狂言・ろうそく能スケジュール

当館から加茂神社能舞台への地図

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1月3日開催の月布施毘沙門堂のドウ押し


ドウ押し

佐渡の南西部にある月布施の毘沙門堂にて、毎年1月3日に開催されるドウ押しを撮影しに行ってきました。
ふんどし姿の集落の男性が、25歳と42歳の厄男を一人一人胴上げ・・・というより身体を持ち上げてあちこち曳き回したり、豆殻を燃やした火の上で炙ったりするという、言葉にするとなにやら恐ろしいことをしているかのようですが、そんなにキケンな神事ではありません。

辺りも暗くなった18:30ぐらいになるとお堂の前には集落の人たちや、この様子を一目見ようというお客様や、取材のカメラなどで賑わいます。

月布施の毘沙門堂

鬼役となるふんどし姿の男性たちもぞろぞろとお堂に集まり、挨拶とともにドウ押しが始まります。
囃子方は「ワッショイ、ワッショイ」とかけ声をかけながら木の棒や手足などでお堂の板戸をたたきます。

ドウ押し

あとはひたすら曳き回す。

堂押し

曳き回す。

胴押し

曳き回す!

厄払いの奇祭

曳き回す!!

胴押し

曳き回す!!!

厄年

途中火の上に!そして、鬼たちが濡れた手で豆殻の灰をつけ厄男の顔などに塗りつけます。

厄払い

また曳き回す!

ドウ押し

最後に世襲の神主役を胴上げして終わります。
月布施のドウ押しは佐渡市の無形民俗文化財に指定されています。
ぜひ来年開催の折にご来場してみてはいかがでしょうか。

月布施のドウ押し(毘沙門堂)
開催日時:毎年1月3日 18:30~

当館から月布施毘沙門堂のドウ押しの会場への地図

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