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海府大橋下の大ザレの滝への行き方

大ザレの滝

外海府の県道45号線沿いにある海府大橋。その橋の下には落差70mの滝があるけど、海岸まで降りないと全景は見えません。なかなかの藪こぎの難所であることは、ネットで検索するとわかると思いますが、最近大ザレの滝へと降りる人が多いのか、わりと歩きやすくなっていました。(自分比)

大ザレの滝へ降りる道は柿畑のところから行くのですが、入り口はこんな感じ。(GoogleMAP

大ザレの滝への道

棘のある草木が多く、ハサミやナタがあったら切りたいところでしたが、交わせないことはないので踏みつけたりしつつ進みます。枯れた沢のようなところをひたすら降りていきます。滑りやすくなっているので注意しましょう。

大ザレの滝への道

波の音が聞こえるところまで降りてくると、視界がひらけているところから大ザレの滝方面へと振り向くと、海府大橋が見えました。滝から数百メートル離れているので、海岸まで降りたら滝までは海岸をひたすら歩きます。約100mぐらいの高低差を降りていくということは、帰りは当然登りとなるわけですけど。

海士町 漂着ゴミ

海岸まで降りるところが、若干わかりづらいのですが眼下に海岸が見えればどこから降りても海岸にはたどり着けます。海岸まで降りてしまえば、あとは滝方面へとひたすら歩けば良いのですが、丸っこい大きな石がごろごろ転がっていて、非常にあるきづらいです。波打ち際は砂利になっていて、沈み込むのでこれまたなかなかあるきづらいです。

ここの海岸は道路からのアクセスも悪いので、海岸清掃されておらず、漂着ゴミや流木、漁具などが沢山流れ着いています。

大ザレの滝

橋のところまで来ると、大ザレの滝がようやくお目見えです。
以前は川が漂着物でせき止められ、滝のリフレクションがキレイに撮影出来たのですが、爆弾低気圧による川の氾濫ですべて流されて、川の河口の様子が変わってしまいました。

大ザレの滝正面

滝へと近づくと、海府大橋は崖の影に隠れてフレームアウト。こちらは大ザレの滝の正面から撮影。川の水深が浅いところもあるので川に入って撮影となります。

大ザレの滝 横

こちらは大ザレの滝横からの撮影。全景を撮るには広角レンズじゃないと入り切りません。
重たい三脚を持ってはきたのですが、NDフィルターを忘れてきてしまい、、、長時間露光する必要がなく手持ち撮影。

大ザレの滝

大ザレの滝の落口です。とはいえ、この上にもう一段あるようです。合わせて落差70mのようです。海岸からは上段の滝は見えません。

大ザレの滝

水分補給のため持ってきたペットボトルに滝の水を汲むの図。
写真て工夫次第でいろいろな楽しみ方がありますよね。

大ザレの滝は佐渡島内の名のある滝では海に一番近い滝です。
本当は海からアクセス出来れば良いのですが、断崖絶壁が多くてチャレンジしてみたものの、結局一部は泳いで渡るという結果に。グーグルマップの衛星写真を見るといけそうな感じはしたのですけどね。

大ザレの滝は夏場は草木が生い茂るし、虫も多くなるので、早春か晩秋あたりに行くのが良いと思います。
冬に行って氷爆を見たい!というのなら、それなりの装備を整えていくことをおすすめします。

当館から大ザレの滝への地図

佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の四

七ツ滝

佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の壱
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の弐
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の参

さて、いよいよ佐渡最大の瀑布七ツ滝(ななつがたき)へと近づいてきました。この大きな釜を超えれば七段100mの落差を誇る、絶景の秘境七ツ滝が待っています。時刻は12:20となっていましたので、七つ滝を眺めながらのランチとなりそうです。もうここまで来ると、不思議と足取りが軽くなってくるのと、難所続きでテンションが上がっているので、どんどん行けそうです。

七ツ滝

ここが七ツ滝の一段目と二段目、その奥に見えるのが三段目です。
もうお腹もだいぶ空いていたので、こちらでお昼ごはん。その前に記念撮影。ほぼほぼ行動食的なものと、非常食的なものしか持ってこなかったので、サクッとお昼ごはんは済ませ、滝の右斜面をガツガツと上がります。そこで驚きの光景が。

七ツ滝

四段目を登り切ると目の前が大きく開け、勇壮な五段目の滝とその上には六段目、七段目が目前に現れます。今まで見た佐渡の滝の中では、高さはもちろんのこと、その雄大さは写真で表現しきれない程の絶景でした。降りてきてから、しっかりした三脚を持っていくべきだったとか、人物を配しての滝をもっと撮影しておくべきだったとか、いろいろと悔やんでしまいました。

七ツ滝

「佐渡にこんなところがあったとは。」
一行は同じ言葉を何度も口にしました。おそらく前日まで雨が振っていたので、水量もあったと思います。下流から上がってくる際には、こんな素晴らしい景色が待っているとは思いもよらず、驚きと感動で思わず涙ぐみそうになるほどでした。

七ツ滝

難所を越えてきた一行が、滅多に来れる場所ではないから、いろいろなアングルで見てみようと横から見てみると、どうやら滝の裏見が出来そうな感じです。もちろん飛沫でびしょ濡れ必須ではありましたが、、、ここまで来たら行くしか無いでしょうと一行滝の裏へと潜り込みます。

裏見の七ツ滝

裏から見た七ツ滝の五段目です。写真を見ても、肉眼で見た感動は表現しきれていません。
広角レンズですと広く撮れるのですが、どうしても全体を写すため被写体が小さく見えてしまいます。ということで、人物を配して撮ってみることにしました。

裏見の滝

いかがでしょうか。この滝の落差と雄大さが少しでも伝わりますでしょうか。
滝の裏側に余裕で入れて、滝の幅もだいぶあります。とはいえ、滝の飛沫でびしょ濡れにはなりますが。

七ツ滝

続いて言い出しっぺの石塚氏です。この素晴らしい滝へとチャレンジしたい!という気持ちが一番強かったのではないでしょうか。むしろ私は彼の付添のような存在です。彼の感動をカラダで表現してもらいました。「廬山昇龍覇のようだね」と言ったらキョトンとされたので、ここらへんはジェネレーションギャップが否めません。

七ツ滝

「この上も行ってみたいね」という言葉に、流石に時間的に厳しいでしょうという判断から下山を選択。また来ればいいじゃないかの言葉に、ワンテンポもツーテンポも遅れつつ、そうだねと。今までで一番過酷な滝への山行となりましたから。さて、下山をするということは、また超えてきた難所を通らなければなりません。

ステミング

ご覧ください、石塚氏の見事なステミングです。
脳内はミッション・インポッシブルのあの音楽が鳴っていたのではないでしょうか。もし、ズルっといったら顔面から水面へと没入してしまうスリル感。見ている方もハラハラします。

石花

私はウェーダー着用ということもあり、二人よりも足早に前へと進みます。ちょっと二人が見えなくなるぐらい、前に進んでしまったので川に石を立ててみました。ロックバランシングをやるほどの時間はありませんが、自然の中の不自然を創出することが出来たのも記録に収めておきましょう。

へつり

さて、ここの釜も結構深いのですが、二人左右へつりチャレンジ。私はウェーダー着用なのでジャブジャブと水中歩行で突き進みます。そしてこの後、、、バランスを崩し石塚氏(左の黄色いウェアの方)まさかの半身水没。きっと疲れと、滝を見れたという安心感もあり、油断もあったのでしょう。10月も末になっていたので、水も冷たかったことでしょう。

小瀑

途中川が分岐していた先に、小瀑があったのでサクッと撮影。七ツ滝を見た後なので感動は薄いですが、落差3〜4mの割と立派な滝です。七ツ滝を見る前なら、もう少し感動もあったと思われます。

倒木

帰路は流石に疲労が限界で、足もあがらず蔓などに足を取られたり、倒木を超えたつもりが足がひっかかったりと、油断していると大怪我をしかねない状況。休みながら行きたいところではありますが、徐々に日没時間へと近づいてきました。

山葵

ちょうどその時、足元にいっぱいのワサビの葉っぱ。ちなみに、山葵と書いてわさびと読みますが、深山に生えている銭葵(ぜにあおい)と似ている葉っぱ故に山葵と名前がついたとか。(諸説あり)

山葵

わさびは自分の周りに他の植物が育たないように、辛味の成分のひとつであるアリルイソチオシアネートを流出して、生育を阻害します。ただ、自分もこの成分で生育を阻害されてしまうため、この成分が土中に留まらないように水の流れるところじゃないとこれほど大きく育ちません。

帰路

徐々に日が暮れ始めてきた頃、川の音に紛れて波の音が聞こえてきました。もうすぐゴールが近いところで水分補給。逆光であるため、目が死んでいるのがわからなくて良いですね。

帰路

さて、ようやく入渓したポイントまでやってきました。ここまで無事来れたのも、パーティの山スキルが高かったことや、チャレンジ精神旺盛だったことのおかげかもしれません。ちょっと間違えれば大怪我した場所はいくつもあったはずです。本来であれば、ヘルメット着用や応急処置が出来る医療用具があるべきですが、そこらへんは次回への反省点としておきましょう。

外海府の夕日

帰る頃にはすっかり外海府の海に夕日が沈む時間となりました。行きに4時間、帰りに4時間という長丁場ではありましたが、無事七ツ滝を拝み、下山することが叶いました。本当に素晴らしい滝ではありますが、万全の装備とガイドがいてたどり着ける場所かと思われます。この記事が少しでも安全と対策に繋がり、秘境の滝への足がかりになれば幸いと思います。

【深山幽谷の秘境 七ツ滝】
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の壱
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の弐
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の参
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の四

佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の参

七ツ滝

佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の壱
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の弐

倒木ばかり目立つ川沿いを上流へと向かいつつ、七ツ滝を目指します。徐々に川幅が狭くなり、川の両サイドが渓谷のように切り立ったところが多くなっていきます。川底も深くなり、長靴では水没するところが多々出てきます。岩壁を登るようなロッククライミング箇所も出てきますので、難易度は高くなっていきます。機材があった方が安全に行けると思われますが、慎重に行けばなんとか行けるレベルではありました。
とはいえ、かなり危険が伴うと思いますので、安易な気持ちで行けるような場所ではないことをお知らせしておきます。

七ツ滝

ナラ枯れの影響なのか、倒木が流されて行く先々で邪魔をしています。雨降りの後だったので、この倒木の上に乗ると足を滑らす危険もありますし、中がスカスカな状態でポキっと折れる場合もあります。そもそも腐って折れたわけですから、折れやすいのは当たり前なのですけども。

滝仙人

途中良い景色を見つけたら水分補給をしつつ、呼吸を整え、休憩がてら撮影。なかなか雰囲気の良い苔むした渓流の岩場で寛ぐパーティ。とはいえ、結構へとへとになってきた頃合いでもありました。

小河内川

しばらく歩いていると川の岩盤の色の変わったところがあり、まるでおろし金のような凸凹の川底が続く場所です。浅く歩きやすい場所で、川底も凸凹しているので滑りにくいので、サッサと進みます。来たことがある人は、「あぁ、あそこね」という感じに思うことでしょう。

小河内川

小さな滝に差し掛かりました。ここからの釜(滝壺)は意外にも深くなっているところが多いので注意が必要です。硬い岩盤なのにこれだけ深くえぐられるということは、長い年月をかけて小石などが流れてきて削っていったのでしょうか。また、ここから先は特にV字谷になっているようなところもあり、難所が続きます。

マンドラゴラ

セリ科の植物が川に流されて留まっていました。これだけの根っこと生命力からして、シシウドかオオハナウドらへんの大きくなるやつでしょうか。なんとなくマンドラゴラのような動き出しそうな感じにも見えます。

キノコ

相変わらず倒木は多く、倒木のところにはキノコが生えています。食べられるキノコもいくつかありましたが、取る余裕もないのと、そんなに美味しくないイメージ(ムキタケ)があったのですがスルー。10月も終わり頃に行ったので、キノコも腐りかけでしたので。

V字谷

V字谷です。ここはステミング(両足を開いて突っ張りながら)しながら進みます。濡れているので滑りやすくなっているのと、足の長さが足りないと、、、ドボンっと落ちてしまいそうです。なかなかスリルのある難所ですが、全員水没することなくクリア。

さて、いよいよお待ちかねの七ツ滝(ななつがたき)です。

【深山幽谷の秘境 七ツ滝】
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の壱
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の弐
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の参
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の四