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北鵜島の国の重要無形文化財に指定されている車田植

車田植え

北鵜島に代々伝わる神事、車田植を見てきました。
毎年5月の田植えも終わりになる第三大安に行われます。この日は毎年晴天に恵まれるそうで、今年も晴れ。
この田圃の所有者である「やま佐荘」の北村さんの家に、奈良時代から伝わる農耕行事で、早朝から自宅で祈祷するところから始まるそうです。私は9:00頃に田圃に到着し、田植えを拝見しました。

車田植え お神酒

北村さんのご挨拶からはじまり、お神酒を田んぼに注ぎます。柏手で五穀豊穣をお祈りした後、早乙女たちが田んぼに入ります。

車田植え 柏手

車田植え 早乙女

田んぼの中央に天照大神にお供えした苗を植え付け、そこから「の」の字を書くように時計回りに植えていきます。中央に植えた苗は神様であり、そこにお尻を向けないように植えていく為だとか。


車田植え

車田植え 早乙女

車田植え 早乙女

車田植え

車田植え

田んぼの形状は釣鐘状になっていて、山に向かって末広がりになっています。その山手の上には「神さん田(かみさんだ)」と呼ばれる田んぼがあり、そこから田植えがスタートし、最後に車田植の田んぼで田植えが終わるそうです。神さん田には正月に飾った松を刺してあります。

車田植え 釣鐘状の田んぼ

神さん田

神さん田 もち米

田植えの最中には畦で座っているおばあちゃんが田植え唄を唄っていました。

車田植え 田植え唄

車田植え

田植えが終わると、こびりぃというお食事が振る舞われます。赤飯のおにぎりに使っているもち米は神さん田で採れたものだとか。また、海藻の煮付けが非常に美味しく、この地域特産なのだとお聞きしました。スゲナというそうで、銀葉草のようなシャキシャキとした食感の海藻です。
車田植の撮影に訪れていた人たちにも振る舞われ、神事が終わりました。

こびり

海藻スゲナの煮付け

車田植の様子を満喫出来るのは、おそらく田圃の地主さんである民宿のやま佐荘さんに宿泊し、朝の神事から拝見させていただくのが良いのではないでしょうか。個人所有の田圃で、個人の御宅に伝わる伝統神事なので、存続が危惧されています。この車田植の風習は奈良時代から伝わっていて、現在日本にはここ北鵜島と岐阜県高山市松之木町のみ残っているのだそうです。

やま佐荘
〒952-3202 新潟県佐渡市北鵜島551
TEL:0259-26-2416

当館から車田植の田圃までの地図