環境省のレッドデータで絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に指定されている、佐渡の固有種サドマイマイ。カタツムリの仲間で、移動が遅いため生息区域も広がらず、佐渡でも限定された区域でのみ生息しています。おおよその生息区域の事前情報は得ていたので、ここらへんであろうという目安はあったのですが、なかなか見つかるものではありません。(ちなみに撮影のために4回程通いました)
ちなみに、サドマイマイは右巻きで殻の頂点を正面に向け穴を下に向けると、右側に殻の穴があります。特徴としては螺塔(殻の高さ)が高く、茶色い筋の入った殻で、横には殻の巻に沿った筋が見えます。(筋の入らない個体もあるそうですが)サドマイマイの模様の型は専門用語で言うと、1234型(コガネマイマイ模様)や0200型というのだそうです。この色帯の番号は上から順に上周縁帯、周縁帯、底帯、臍帯に分けて番号が振られます。
近縁種でオゼマイマイというのがいるようですが、正直なところ見分けがつきにくいです。右巻きで殻に茶色い模様があればサドマイマイ!って誤認してもわかりづらいです。ちなみに佐渡には左巻きのマイマイもいるようで、こちらとは区別はつきやすいです。
マイマイはあちこちで、独自の進化を遂げているようで、ご当地マイマイと言えるほどその種の数は多いようです。
日本産マイマイ属の分布
見つけた時は殻に閉じこもって葉っぱの表面にいたり、葉っぱの裏側にくっついていたりするのですが、水をかけてあげると動き出します。探すときにはミネラルウォーターを持参すると良いかもしれませんね。ちなみに、私は近くの沢の水を葉っぱで汲んでかけてあげました。
水をかけてしばらくすると、目を出して動いてくれました。葉っぱの上にのせておいたのですが、どうやら糞をしていたようです。おそらく、サドマイマイの糞をウェブ上にアップした世界初のブログかもしれません(笑)
近くにまたサドマイマイがいたので、ちょっと並べてみました。同じく殻にこもっていたので、水をかけてあげると動き出しました。角が長いなぁと感じましたが、これが個体の特徴なのかどうかはわかりません。
佐渡島の固有種はサドマイマイの他にも、サドノウサギ、サドカケス、サドトガリネズミ、サドモグラ、サドハタネズミ、サドアカネズミ、サドガエル、サドマイマイカブリ、サドメクラチビゴミムシ、サドコブヤハズカミキリ、サドセスジハナカミキリ、サドチャイロヒメハナカミキリ、サドミヤマチビコブカミキリ、ウスゲアメイロカミキリ、ヘリジロコモリグモ、サドクロナガオサムシ、サドホソアカガネオサムシ、サドクロオサムシ、サドアオオサムシ、サドヒメサビキコリ、サドムシオイガイ、サドギセル、サドキビ、サドヤマキサゴ、サドアザミ、サドヒゴタイと、「佐渡」を冠した名前がいっぱいです。サドナデシコナマコという新種も真野湾で見つかっており、キングギドラシリスという新種も宿根木の海岸に見つかっております。
というか、こんなに固有種がいたのか!と改めて調べると出てくるものですね。正直びっくりしました。
ただ、調べれば調べる程、これはオゼマイマイではないか?と懸念もあります。
サドマイマイは他に類を見ない形態であるが故、識別は容易であると書いてあります。正直なところオゼマイマイとの違いはよくわからないし、個体差による筋の入り方や殻の高さなども、オゼマイマイの平均値と重ね合わせてみてもあまり変わらないので、この撮影した個体が果たして本当にサドマイマイかどうかはわかりません。
さて、相変わらずマニアックなブログ記事内容となりましたが、伝えたいことは「こうした貴重な固有種が佐渡にいて、その自然が守られている」ということ。とはいえ、道路の開発や森林の伐採などでその生息地が失われていく地域もあるでしょう。
またこうした珍しい固有種を入手したいという不当な輩が一定数いるのも事実です。その地にいてこそ、固有種としての価値があると思うのです。どうか採取などはやめていただきたいものです。
サドマイマイ動画