南国土佐から、佐渡の夫の元に嫁ぎ、佐渡に3年間住んで現在は新潟市に住むライターのさかもとです。
第二の故郷となり、大好きになった佐渡。もし友人や親が来るなら、存分に現地感を味わってもらいたい気持ちが強くあります。
けど人によっては、旅先で「ちょっと仕事もしたい」「子どもがいるからYouTubeをつけながらくつろぎたい」と色んな事情もありますよね。
見つけました。そんなあらゆる希望を叶える佐渡の宿を。その名も「伊藤屋」。
・佐渡ならではのおもてなしがある
・仕事ができるネット環境がある
・大画面でYouTubeや動画サービスが楽しめる
・キレイで新しい部屋には浮いた小あがり?不思議空間がある
・しっかり疲れた体を休められる
今回宿泊したのは、リニューアルした「和モダンツイン」のお部屋。
これから佐渡に来る親兄弟、友人はもちろんビジネスマンにも紹介したい気持ちが止まらないお部屋だったので、詳しくご紹介しますね。
立地も佐渡観光にうってつけの伊藤屋!リニューアルしたお部屋に泊ってみた
両津港、そして小木港からも車で約30分の佐渡島の真ん中、真野新町にあるのが老舗旅館「伊藤屋」です。
旅館前の道は、船の着く両津・小木方面、そして佐渡の繁華街、佐和田や金山のある相川方面へと別れるY字路となっています。
アクセス面でも、佐渡での連泊にピッタリの立地。旅館は商店街にあり、スーパーやコンビニが近いのも◎。
旅館正面向かって左2件隣りの小路を入ると駐車場があります。
館内には、正面からはもちろん、駐車場からすぐ入れる裏通路もあるので雨の日も便利。
館内は絨毯で土足OK。部屋に入る際に靴を脱ぐスタイルです。
通路には、レトロな絵や骨董品、佐渡らしいアイテム、そして店主の撮影した佐渡の景色があちらこちらにあってつい見入ってしまいます。
旅の中ですでに周ったところや、明日行きたいところを探すのもたのしそう!
さて、チェックインを済ませ、さっそく2023年4月15日にリニューアルオープンした新しいお部屋に向かいます。わくわく。
リニューアルしたお部屋は、榧(かや)、松、欅の間。今回は、榧の間に宿泊します。
ちなみに、このルームキーやルームプレートも榧の木が使われているんですって!
お部屋にも、それぞれ名前の佐渡の木材を使った机があるのだそう(今回はこたつに変わっていましたが冬季以外は出ているテーブルが部屋名前の木材を使ったもの)。
佐渡には、赤泊地区に佐渡市指定記念物となっている榧(カヤ)の大木があり、カヤの実を使った佐渡土産もあります。佐渡を感じる木材のお部屋と、部屋で使っている木材がリンクしてるんですね!
さて、入ると……玄関はフラットで、館内と部屋用スリッパが。キャリーバックのなどの荷物やコートをしまうスペースが玄関にしっかりあるのもありがたい!
荷物はこちらでまとめて部屋でスッキリ過ごせそう。
肝心のお部屋は……。
おおおおおお!!!!
なんだ、この素敵な空間!和なのに、モダンでオシャレ。いい意味で、外観とのギャップがありました!
広々とした空間にはベッドとこたつ(※冬季限定だそう)が。ここは、天国かもしれない。
ちょっとまって…これが、もしかして浮いている小あがり????
近寄ってみると……
確実に浮いています!!!!!浮いた畳!
畳の下に手が入ります!どうなっているんだこれ!!!
不思議な仕様にテンションがあがりました!
そして畳の上にあるベッドは広々としていてリラックスして眠れそう(そして足休息シートまである嬉しさ)。
今までの旅館のイメージをガラッと変えてリニューアルする中、以前の面影を残しているのが、この奥の床の間。
1878年(明治11年)創業の伊藤屋が、昭和8年に改築したもので、和の雰囲気と伊藤屋の歴史を感じさせてくれます。
歴史ある床の間と現代風デザインの入り混じった空間は、新鮮さがあるのに、時間を過せば過ごすほど、落ち着くんです。不思議。
この感覚は、泊ってみないと実感できないかもしれません。
そして床の間の隣には、
しっかりと集中できそうなスペースが。
椅子も座り心地がよく、このスペースでもお仕事がはかどりそう。
もうひとつ、この部屋で印象的だったのは、こちら。
壁一面をぶち抜く障子戸の鴨居と敷居。きけば継ぎ目のない一本の木を使っているのだそう。
この規模の木はそうそうあるものではないし、それ故、なかなかお目にかかれない仕様だなと感じました。
こちらの杉の木、佐渡の南部にある大崎の樹齢300年のものが使われています。
地元佐渡の藤栄工務店さんに施工してもらったからこそ実現した、佐渡の木の息吹も感じられる特別な部屋が完成したんですね。
意表をつく浮いた小あがりがありながら、伊藤屋の古き良き歴史を残す床の間が融合するスタイリッシュな空間。
お部屋のデザインは、今井博康さん(隈研吾建築都市設計事務所)が手掛けたのだそう。
古き良き、そして佐渡の木材を活かした他にはないデザインのこの部屋。最初は新鮮さの嵐でしたが、部屋で過ごす時間が増えるほど、どんどん「心地よさ」を感じるようになりました。
伊藤屋のリニューアルされた部屋で仕事をしてみた
実は宿泊日、仕事が残っていたので、家族より早めにチェックインして仕事をしていたんです。
伊藤屋は、全館光回線の無線LAN完備なので、こたつでも仕事ができてしまう。
仕事のお供にコーヒーが飲みたいと、レストランこさどのオーナーが焙煎した「木兎珈琲」を頼んで仕事モードに入ります。
やるぞやるぞやるぞー!
正面の壁にかかるテレビは、65型のSONYのBRAVIA。ついつけたくなるけど、大画面で合流した夫との団らんをたのしむためにも、とにかく仕事をがんばるぞ。
……途中、集中力が切れてきたので……
榧(カヤ)の机で挑みます。私のPCはちょっと大きめの17.3インチのワイドノートパソコンなんですがすっぽりハマって集中できそう。
椅子の座り心地もバツグンでよかったです。集中できる。
Wi-Fiもありますが、
佐渡でオンラインMTGを含む、回線が安定した環境で仕事をしたい方にとっては有線LANがあることも魅力的ですね。ビジネスマンにも好評なのだそう。
仕事はもちろんはかどりました~♪
ちなみに気分を変えようと次の日の早朝は、玄関そばにあるワーキングスペースでもお仕事!こちらも気分が変わってよかったです!
この裏のスペースには、プロジェクターを配したMTGルームもあって、会社や仲間との会議やMTGに使えるそうですよ。
佐渡の美味しいが詰まった伊藤屋の夕飯
仕事を頑張っていると、食事の時間になりました。
館内では、廊下を通るたびに佐渡のいろんなアイテムが目に入りテンションあがります。
いろんなものにそそられますが、こちらの店主の利き酒コンテストのトロフィーと、佐渡の飲み比べセットが気になりました。
そういえばここ真野新町は「至」の逸見酒造、「真野鶴」の尾畑酒造という酒蔵が目と鼻の先にある立地。ぜひ飲んでみようと心に決めました。
さて、旅館の食事に行きましょう!
1階に降りて、廊下をすすむと、部屋の名前が書かれたプレートが食事場所にあります。
わーい、素敵な食事会場だ!
準備をしてもらう中で、念願の日本酒飲み比べをオーダー。
よーし、乾杯!
今日は飲みます!
レモンを挟んだぶあついサーモンはに口当たりは爽やかで美味。甘エビのとろける甘さもたまりません。
近くの酒蔵、尾畑酒造の「朱鷺と暮らす」といただきます。フルーティーな香りとすっと後味が残らない飲みやすさについつい手が伸びる美酒でした。
そして、この佐渡産の牡蠣、甘辛くて生姜の風味が絶品でした。2個で終わるのが悲しくなるくらい美味しい。
ぐっとくるけどすうっとはいってくる尾畑酒造の学校蔵「KANADEL」、生酒ともピッタリです。お酒がすすむ。
佐渡はイカの産地でもあり、両津なんかではよく干している様子を目にします。
ただ、このイカ、主役級でした。こりっこりの歯ごたえにバター味、その次に地元の味噌を絡めた味、最期は2つが混ざった味とたのしめました。
シンプルなイカの良さが最大限に出ていて感動!イカって、御馳走だ。
一緒にいただく逸見酒造の「至」は私も大好きなお酒。今日は一段と美味しく感じます。
佐渡の食材は、地酒の良さを一段と引き出してくれますね!
そして、冬の蟹。茶碗蒸しにも蟹がいっぱい入っていて、幸せでした。甲羅に日本酒を注いで最後まで美味しくいただきましたよ!
ご飯はセルフでよそうスタイル。お酒をしっかり飲むので迷いましたが、どうしても食べたくて。
というのも、朱鷺と共存する佐渡では減農薬で米作りがされていますが、その佐渡の中でも、地元の人が選ぶ米は特別美味しいんです。
伊藤屋では「重要文化的景観地域」に指定された西三川砂金山の清水で育ったコシヒカリが出ます。
食べてビックリ。美味しすぎて、米でお酒が飲めます。ああ、幸せ。
そして更にテンションがあがったのが、こちらの幻のご当地牛、佐渡牛でした。
いただいたのは、A5牛フィレ肉。低温調理で、じっくりとしっとりと焼き上げたお肉は、食べ終わるのが惜しいほどのうまさ。
しっとりした肉厚な佐渡牛の塊は塩で、ワサビで、口の中を愉しませてくれます。
今まで味わったことのない、奥深い味の佐渡牛。絶対絶対、また食べたい味です。
締めには佐渡の牛乳を使ったスイーツが。
佐渡にちなんだ食材のオンパレードで大、大、大満足の夕食でした!
併設するレストランこさどでのお弁当はもちろん、伊藤屋では宿泊無しの宴会もやっているそうなので、そういう使い方もしたくなりますね!
海洋深層水風呂と伊藤屋の心づかいにリラックス
食事のあとはリラックスタイム!
さて、お風呂!に向かう前に、お洗濯を済ませます。
海まで徒歩3分の立地にある伊藤屋では、夏には海水浴をたのしむお客さんも多くいらっしゃるそう。洗濯機や乾燥機があるのはありがたいですね!
自販機の隣にある100円ガチャでジェルボールを買い、洗濯物と一緒に入れて、
200円で洗濯可能!乾燥機もあるので安心です。
さて、用事も済んだのでお風呂へ!
今治タオルと、
浴衣、もっふもふの半纏をもってお風呂へ!
伊藤屋さんのお風呂は海洋深層水ときいてすごく楽しみ!
洗い場は4つあり、木の椅子と桶が使えます。海洋深層水は、保湿効果があるとのことですが、温泉と違い、キリッとしたさっぱりしたお湯でした。
ぬめりやにおいもなく、万人受けしそうなお湯。なのに、出てみるとからだはぽっかぽか。不思議です。
滞在中、もう一度入りたくなって再度お風呂に行きました!
お風呂場にもドライヤーがあったのですが、部屋の洗面台も使ってみたかったのでお部屋に戻ってReFaのドライヤーで髪を乾かすことに。
調節も細かく可能で想像以上に速乾&しっとりしてまとまる髪に。トップサロンと共同開発された商品を旅館で使える贅沢さ、たまりません。家のドライヤーもこれい買い替えたくなるレベルの使い勝手の良さでした!
洗面台にはLEDライト付き三面鏡も備え付けてあり、明日のメイクもスムーズにできそうで嬉しい!
ちなみにお部屋のトイレもきれいでスタイリッシュ。今までの宿で一番リラックスできたお部屋トイレでした!
そういえばベッドサイドにある冷蔵庫や金庫の上にあれがあった!
佐渡番茶クッキーと、佐渡番茶。ほろっと丁度良い甘さのクッキーをほおばりながら飲むあったかいお茶は至福の時間をくれます。
ほっこり。
さて、食後の歯磨きを。
こちらの歯ブラシ、気になっていたんです!あけてみると……
なんと!持ち手が竹の歯ブラシ!すごくしっくりくる触り心地(ここだけの話、気に入りすぎて持ち帰って使っています)。
に、これ。数枚入っている紙の歯磨き粉をセット!
竹の歯ブラシも、紙の歯磨き粉も初めてでわっくわく。ドキドキしながら使いましたが、使い心地もよかったです!
もう、他の宿も全部これになったらいいのにと思うほど気に入りました。
よーし、佐渡番茶を飲みながら念願のこたつでくつろぎタイム!
たのしむのは……登録者50万人越えの佐渡のYouTuberけえ【島育ち】さん!
佐渡の真ん中(佐和田もそうだけど真野もほとんど真ん中だし)で、佐渡番茶を飲みながら、佐渡の動画を堪能する。これでもかという程濃い佐渡を楽しんでいる自信があります。
YouTubeはもちろん、その他動画サービスも視聴できるので家と同じように好きなエンタメを楽しめます!
それにしても大画面テレビ×こたつの導入は、天才的なチョイスです。
さて、最後にきになるのはベッドの寝心地。マットレスによって腰の痛くなる夫も使い勝手が気になる様子。
マットはどうかな……。
やわらかすぎず堅すぎない、横になるとまるで包まれるような心地よさをもたらすフィット感。
あまりにもマットレスの感触がよかったのできいてみると、腰痛に悩まされていた店主が3ヶ月かけて一番寝心地がいいものを検証し、枕との組み合わせを考え抜いてチョイスしたのだとか。
佐渡を楽しむ為にも「とにかくベッドで快適に過ごしてほしい」という熱い思いがありました。
夫も爆睡なわけだ。
枕元には電気のスイッチと一緒にコンセントもあるのでスマホの充電もできて快適~!
眠るのが惜しい環境でしたが、ふっかふかのお布団の中に入ってしまうとすうっと眠ってしまいました。
翌朝、旅の前の朝食という楽しみもあります!佐渡らしいものがてんこ盛り!あたたかいみそ汁とがんもどきも嬉しい。
そして、でました!いーごーねーり!
生姜と小葱と醤油というオーソドックスなスタイルでいただくいごねりがでてきて、昨日けえさんの動画を見ていた私はテンションがあがりました!
圧倒的に帰りたくないので、時間いっぱい、仕事をしたり、ほぼこたつでテレビを楽しんで、後ろ髪を引かれながらチェックアウト。
ゆっくりできる、おいしいものがあるのはもちろん、佐渡旅の充実度を上げてくれる宿だと確信した宿泊でした。
伊藤屋でゆっくりやすんで佐渡をめいいっぱいたのしんで欲しい
私は3年ほど佐渡に住んでいたのですが、伊藤屋に泊ってみて、当たり前にある佐渡の良さを再確認できました。泊ってよかった。
佐渡の美食はもちろん、部屋のあらゆるところに使われる佐渡の木材は美しく、肌で感じる海洋深層水は疲れを癒してくれます。
ずーっと佐渡のいい風が吹いているような心地の良い宿泊でした。
他にも伊藤屋には佐渡では珍しいペットと泊まれるお部屋もあり、今後は釣り人にも嬉しいキッチン付きのお部屋もリニューアル予定なのだとか!
旅人にはもちろん、島内の人の特別な日使いにも部屋、お料理共に、超おススメできる伊藤屋。
今度夏に来る予定のけえさんファンにも「海洋深層水のお風呂に入れるよ」と教えちゃおうと思います!