2019.8.2 NEW !

佐渡のウミホタルを見たい!時期は?場所は?

ウミホタル

最初に申し上げておきますが、このように日常的にウミホタルが海岸に打ち上げられてはいません。これは近くの海で採取したウミホタルを撒いて撮影したものです。
ウミホタル鑑賞会を7月に開催してからというもの、当館の電話やメールにお問い合わせが頻繁に来るようになりました。大変喜ばしいことではありますが、この写真を撮るのに天の川の位置がこの位置にくるような時期、そして波消しブロックのない海岸で、天の川がベストな位置に来るようなタイミングで、ウミホタルを集めて海岸に撒いて助手にシャッターを切らせるという感じで、やっとの思いで撮影したものです。

ウミホタル

ウミホタルが見られる時期ですが、6~8月が一番多く見られると思います。5月~9月ぐらいでもまだ見られます。ウミホタルを見る条件としては新月に近い暗い環境と時間で、水深が1~3mぐらいの砂浜で、あまり流れが早くない、淡水の混ざらない環境。夏場ですと20:00ぐらいからですと見られると思います。

佐渡島内では真野湾のところでよく見かけます。
私がよく見ている場所はこちらです。→ウミホタル鑑賞スポット(GoogleMAP)

ウミホタル

ウミホタルは顎脚綱、貝虫亜綱、ミオドコパ上目、ミオドコピダ目、ウミホタル科ウミホタル属に属する日本固有種の甲殻類です。ウミホタルが青く光るのは刺激を受けると上唇腺からルシフェリンを発し、ルシフェラーゼ酵素の働きにより、海中の酸素と反応して光ります。ルシフェリンといえば川にいるホタルも同じ物質ですが、ウミホタルのルシフェリンとはまったく異なるようで、ウミホタルルシフェリンと呼ばれ区別されています。

ウミホタル

ウミホタルを育てたいと思っても、はっきり言いますと一般的には無理です。
ウミホタルは体長3mm程で小さく、その子どもとなるとさらに小さいので、水をキレイにする循環器を付けてもフィルターの中に吸い込まれてしまう大きさです。また、泳ぎがあまり得意ではないので、吸引が強くても上手に泳げなくなりますし、空気を入れるバルブの泡の影響でも対流させられてしまいます。

ウミホタルは殻で覆われているため、陸に上がっても殻の中に水が溜まっているので30分ぐらいは生きていられます。あまり長い時間陸にいると死んでしまいますので、もし採ったとしても、ちゃんと元の海に戻してあげましょう。ウミホタルはきれいな海にしか生息しないそうです。

ウミホタル

ウミホタルの鑑賞スポットで有名なのが、千葉県の館山市、南房総市、石川県の能登島、兵庫県の豊岡市、淡路島、香川県の粟島、沖縄県の島々。日本海側にも太平洋側にもいますが、あまり北の方には生息していないかもしれません。もしかすると佐渡島が最北かもしれませんね。新潟県内ですと、多少は柏崎らへんで見れるという報告はありますが、佐渡が一番キレイに見れるようです。
よくウミホタルと混同されやすいのは、夜光虫やホタルイカ。夜光虫はウミホタルに比べて光も弱く、植物性のプランクトンで体長は500μと1mm以下なので、単体ではカメラに収めることは出来ません。沢山集まると赤潮となり、生臭いにおいですが夜は青く光って見えます。佐渡でも夜光虫は岩場の海岸等でよく見られます。
夜の青の洞窟が光る不思議なナイトカヤックツアー

ウミホタル

マニアックな顕微鏡レンズでウミホタルの撮影です。黒い点のようなところが目です。オレンジ色のつぶつぶのところが卵です。殻の間からヒレを出して泳ぎます。若干青くなっているのは、ルシフェリンが少し光っているからです。少し暗い状態で撮影するのが難しく、完全に明るくして撮影したのがこちら。

ウミホタル

真ん中の子と左側の子に卵がありますね。ウミホタルは日中は砂の中に隠れていて、夜になると活動を開始します。刺激を与えなくてもたまに青く光って見えます。
ウミホタル鑑賞会を開催した際に、この拡大写真も見せました。肉眼ではここまで見えませんからね。

ウミホタルのみかた

・海に落ちないように気をつけましょう。
・ウミホタルを捕まえたら必ず元の海に戻してあげましょう。
・ウミホタルは家に持ち帰らないようにしましょう。
・ゴミを捨てたり海を汚すような行為はやめましょう。

以上のことを守りつつ、ウミホタルのいる海をみなさんで大事にしましょう。
ちなみに、私が鑑賞会を開催した際には、佐渡市の許可(駐車場および土地使用について)と、真野漁協に連絡して開催するにあたっての連絡及びウミホタルの採取についての許可を取りました。個人的に見る分には特にこれらの許可は必要ないです。採取せずとも、ウミホタルは陸からも海中で光っている様子が見れます。

ウミホタルの鑑賞会はいつやるのか?というお問い合わせもいただいておりますが、7月、8月の各一回にしようかと思っております。
できるだけ夏休み中で、土日に合わせての開催をしようと思っております。
告知についてはFacebookやTwitterなどで行う予定でおります。
またウミホタル鑑賞ツアーなども今年から企画しておりますので、県外の方はそちらもご期待ください。

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絶滅危惧種のサドマイマイを探す旅

サドマイマイ

環境省のレッドデータで絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に指定されている、佐渡の固有種サドマイマイ。カタツムリの仲間で、移動が遅いため生息区域も広がらず、佐渡でも限定された区域でのみ生息しています。おおよその生息区域の事前情報は得ていたので、ここらへんであろうという目安はあったのですが、なかなk見つかるものではありません。(ちなみに撮影のために4回程通いました)

ちなみに、サドマイマイは右巻きで殻の頂点を正面に向け穴を下に向けると、右側に殻の穴があります。特徴としては螺塔(殻の高さ)が高く、茶色い筋の入った殻で、横には殻の巻に沿った筋が見えます。(筋の入らない個体もあるそうですが)サドマイマイの模様の型は専門用語で言うと、1234型(コガネマイマイ模様)や0200型というのだそうです。この色帯の番号は上から順に上周縁帯、周縁帯、底帯、臍帯に分けて番号が振られます。

サドマイマイ

近縁種でオゼマイマイというのがいるようですが、正直なところ見分けがつきにくいです。右巻きで殻に茶色い模様があればサドマイマイ!って誤認してもわかりづらいです。ちなみに佐渡には左巻きのマイマイもいるようで、こちらとは区別はつきやすいです。

マイマイはあちこちで、独自の進化を遂げているようで、ご当地マイマイと言えるほどその種の数は多いようです。
日本産マイマイ属の分布

サドマイマイ

見つけた時は殻に閉じこもって葉っぱの表面にいたり、葉っぱの裏側にくっついていたりするのですが、水をかけてあげると動き出します。探すときにはミネラルウォーターを持参すると良いかもしれませんね。ちなみに、私は近くの沢の水を葉っぱで汲んでかけてあげました。

水をかけてしばらくすると、目を出して動いてくれました。葉っぱの上にのせておいたのですが、どうやら糞をしていたようです。おそらく、サドマイマイの糞をウェブ上にアップした世界初のブログかもしれません(笑)

サドマイマイの糞

近くにまたサドマイマイがいたので、ちょっと並べてみました。同じく殻にこもっていたので、水をかけてあげると動き出しました。角が長いなぁと感じましたが、これが個体の特徴なのかどうかはわかりません。

サドマイマイ
サドマイマイ
サドマイマイ

佐渡島の固有種はサドマイマイの他にも、サドノウサギ、サドカケス、サドトガリネズミ、サドモグラ、サドハタネズミ、サドアカネズミ、サドガエル、サドマイマイカブリ、サドコブヤハズカミキリ、ヘリジロコモリグモ、サドクロナガオサムシ、サドホソアカガネオサムシ、サドクロオサムシ、サドアオオサムシ、サドヒメサビキコリ、サドムシオイガイ、サドギセル、サドキビ、サドヤマトガイ、サドヤマキサゴ、サドアザミと、「佐渡」を冠した名前がいっぱいです。サドナデシコナマコという新品種も真野湾で見つかっており、こちらが固有種かどうかは研究が進まないとわからないですね。
というか、こんなに固有種がいたのか!と改めて調べると出てくるものですね。正直びっくりしました。

サドマイマイ

ただ、調べれば調べる程、これはオゼマイマイではないか?と懸念もあります。
サドマイマイは他に類を見ない形態であるが故、識別は容易であると書いてあります。正直なところオゼマイマイとの違いはよくわからないし、個体差による筋の入り方や殻の高さなども、オゼマイマイの平均値と重ね合わせてみてもあまり変わらないので、この撮影した個体が果たして本当にサドマイマイかどうかはわかりません。

さて、相変わらずマニアックなブログ記事内容となりましたが、伝えたいことは「こうした貴重な固有種が佐渡にいて、その自然が守られている」ということ。とはいえ、道路の開発や森林の伐採などでその生息地が失われていく地域もあるでしょう。
またこうした珍しい固有種を入手したいという不当な輩が一定数いるのも事実です。その地にいてこそ、固有種としての価値があると思うのです。どうか採取などはやめていただきたいものです。

サドマイマイ動画

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絶滅危惧種のウチョウランの自生地を訪ねる

ウチョウラン

環境省レッドデータで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている羽蝶蘭(ウチョウラン)。佐渡の自生地も一時の野生ランブームの乱獲により絶滅に瀕しております。また、温暖化の影響や法面工事などで撒かれる植物(イタチハギ等)の影響などで植生が変わり、絶滅してしまっている状態です。

今回訪ねたウチョウラン自生地でも、以前咲いていた岩場の斜面には木々が生い茂り、その斜面は壊滅的でしたが、逃げ延びて他の斜面でいくつか苗を見つけました。10mぐらい離れた岩肌の苔が乗る日当たりの良い場所に生き延びてました。

ウチョウラン自生地

なかなかの断崖絶壁で近づいて撮影するのが難しいので、レンズを変えて撮影。

ウチョウラン

この他にもいくつか生き延びた個体があり、木が生えたり背の高い草が生えるような環境ではないので、この自生地の環境なら、しばらくは大丈夫ではないでしょうか。

また、同じ環境に変わった野生ランを見つけました。佐渡ではわりと少なくなったスズムシソウの仲間で、スズムシソウよりも背が高く、スズムシソウよりも遅く咲く、セイタカスズムシソウです。

セイタカスズムシソウ
セイタカスズムシソウ

スズムシの羽のような様相の花姿で、図鑑やネットでは見たことがあったのですが、今回初めて実物を見ました。新潟のレッドデータリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

そしてその近くにはジガバチソウもひっそりと咲いていました。クモキリソウ属にとっては良い環境なのでしょうね。

ジガバチソウ
ジガバチソウ

近くの川のせせらぎも美しく、帰り道には渓流釣りをしている方もいらっしゃいました。

ウチョウラン自生地

帰り道で絶滅危惧種のオオアカバナを見てきました。環境省レッドデータ絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている希少植物で、福島、岩手、長野と新潟(佐渡島)のみに自生しているだけです。佐渡の自生地は毎年のように草刈りで一緒に刈られているので心配ではありますが、佐渡総合高校のバイオテクノロジー研究の恩恵で種から苗に育てて、別の環境の地に植えて保護しています。

オオアカバナ

まだまだこんな希少種が沢山ある佐渡島ですが、年々自生地の状態を知る人がいなくなってます。山野草に興味のある若い人も少ないですし、山野草に詳しい年配の方は足腰が弱り自分で行くこともままならなくなっています。植物に興味があれば、その成り立ちに対して、菌類、昆虫、動物などにも興味がいくので、結果環境についても学ぶことになると思うのです。

佐渡にはこんな希少な植物があり、その自生地の環境について憂うことで環境配慮する生活や行動につながると思っています。

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