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天領佐渡両津薪能 (平成27年7月4日開催) 演目:鵺

薪能

平成27年7月4日に両津加茂湖近くにある、諏訪神社能舞台にて天領佐渡両津薪能が開催されました。椎崎温泉すぐ側にあるので、かなりの観光客の方たちがお見えになっていたようです。ここの薪能は観覧料(運営協力費)1000円となっております。特筆すべきは撮影が自由であるということ。(テレビ放送などのメディアの場合は事前に許可等をお願いしています。)
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全国的にも珍しいと思います。そのせいなのか、よくテレビ局の方やプロのカメラマンの方たちが撮影にいらっしゃいます。

薪(たきぎ)

薪能(たきぎのう)はその名の通り、かがり火を焚いて野外や能舞台で演じられる能のことを指します。この日の能は「鵺(ぬえ)」という演目で、平家物語などに登場する化け物のことで、頭は猿、手足は虎、体は狸、尾は蛇、声は虎鶫(とらつぐみ)に似ているそうです。実は鵺は佐渡にも所縁があり、源頼政が鵺退治に用いる矢が佐渡の小木の矢島経島の矢島に生える双生矢竹から作られたという説があります。この双生矢竹は全国でも数か所にしか自生しない珍しいものだそうで、現在では矢島の双生矢竹は絶滅してしまったとか。

諏訪神社能舞台

能の演目は悲劇を演じるものが多く、この鵺という演目もまた、主役が頼政に射落とされた鵺が慈悲を求めつつ彷徨うという、化け物側の視点で物語が構成されているようです。

能 演目:鵺

暗い中での撮影なのでISO感度をギリギリまであげての撮影。当然のことながらフラッシュは厳禁です。とはいえ、佐渡の薪能の中でも諏訪神社能舞台と春日神社能舞台の照明は明るい方です。白熱灯の照明ですのでオレンジがかるのでブルー寄りのホワイトバランスにするとちょうど良いかも知れません。(カメラの特性によるでしょうけど・・・)

鵺

天領佐渡両津薪能は毎年5月~10月(8月は除く)の第一土曜日に開催されます。
次回は第一土曜日はトライアスロン等があり、9月12日(土)19:30~に開催されますので、ぜひお誘い合わせの上ご来島ください。
佐渡薪能スケジュール

天領佐渡両津薪能

当館から諏訪神社能舞台までの地図

薪能の古い歴史を持つ牛尾神社の能舞台と安産杉と拝殿の彫刻は見応えあり

牛尾神社 大鳥居

ここは新潟県一大きい湖が正面にある、歴史ある神社牛尾神社です。
延暦11年(792)創建の歴史ある社で、天王さんとも言われて親しまれています。
佐渡の能楽の中心となった国仲四ヶ所御能場の一つでもあり、その能舞台は新潟県指定の文化財になっています。
牛尾神社能舞台

床高、開口高、橋掛り長さ等は、佐渡の能舞台ではほぼ最大だそうです。毎年6月12日には天王祭・牛尾神社宵宮奉納薪能があり、薪能が奉納され、続いて鬼太鼓が奉納されます。
牛尾神社薪能
(2014/6/12撮影)

この時期になると近くの川では蛍が舞い、薪能の雰囲気をより一層幽玄な雰囲気へと誘います。
潟上の蛍
(潟上の川のホタル)

境内にある安産杉は孕杉(はらみすぎ)ともいわれ、古来、子授け・安産の杉として名高いです。この安産杉を抱えたり、樹皮を煎じてのんだりして、子授けや安産を祈る風習もあるそうです。
牛尾神社 安産杉
牛尾神社 安産杉

参道には各所見どころが沢山あるので、ぜひゆっくりとお参りしながら巡ってみてください。

薬師堂 天満宮
薬師堂 天満宮
牛尾神社 狛犬
牛尾神社 狛犬

中でも拝殿の彫刻は素晴らしいので、ぜひご覧ください。
牛尾神社 拝殿の彫刻

翁面が奉納されているようですが、数年に一度しか見ることができず、次回は上手く行けば3年後だったかな??(不確かですいません。。。)
閲覧叶う際には、またお知らせしたいと思います。
翁面

牛尾神社
住所: 〒952-0103 新潟県佐渡市新穂潟上2532
電話:0259-22-2237

当館から牛尾神社への地図

大膳神社能舞台で真野能楽会の薪能と鷺流狂言

大膳神社能舞台 薪能

6月1日に真野の大膳神社能舞台で薪能と鷺流狂言がありました。
当館ご宿泊のお客様は、早めのお食事をとられ、17:00頃お夕食、18:00頃に会場の大膳神社へとご案内いたしました。いつもは大膳神社の裏口である大通り側に車を停めるのですが、それでは他の宿泊施設と一緒・・・ここは大膳神社の表参道である、細い小路からご案内。
苔むした参道がまた良い味が出ています。
大膳神社参道

この大膳神社能舞台は、新潟県の有形民俗文化財に指定されている建物で、薪能が開催される当日には必ず茅葺屋根に放水作業が行われます。茅葺屋根に薪の火が燃え移らないように、たっぷりかけてあげます。
能舞台茅葺屋根へ放水

舞台側に水がかからないように、ブルーシートを持ちます。地味な作業ですが、文化財保護の大切な仕事なのです。
大膳神社能舞台 文化財保護

この日は仕舞(しまい)、舞囃子(まいばやし)、鷺流狂言(さぎりゅうきょうげん)、能という順番で演じられます。
演能能組は真野能楽会の皆さん。仕舞や舞囃子は学生さんたちのお披露目的な舞台ですが、威風堂々の演技に観客も見とれます。
特に舞囃子での日野真木くんの演技は流石です。テレビ出演や新聞記事にも取りざたされ、若手能役者として期待されています。
日野真木 舞囃子 羽衣

以前にも書きましたが、佐渡の薪能はカメラマンに人気のイベント。
フラッシュ撮影は禁止ですが、皆さん望遠の良いレンズとカメラで狙い撃ちしてます。
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薪能撮影

舞囃子が終わると、火入れ式が始まります。
巫女さんから火守さんへ松明が渡され、篝火(かがりび)に火が灯されます。
薪能 火入れ式

鷺流狂言の演目は「瓜盗人」
鷺流狂言は新潟県指定無形文化財になっています。佐渡鷺流狂言研究会が、鷺流狂言の伝承と普及につとめています。
鷺流狂言
鷺流狂言

薪能の演目は「高砂」。
この高砂の演目の作者は世阿弥だそうで、人世を言祝ぐめでたい能の演目です。
薪能 高砂
高砂 能
薪能 高砂

お連れしたお客様は大満足。
狂言も面白かったし、能もみんな素敵だったと車中で興奮冷め止まぬ絶賛の声。
演者の皆様、運営スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。

伝統芸能を絶やすこと無く、受け継いでいってもらいたいと切に願います。
かがり火

当館から大膳神社能舞台までの地図