6月1日に真野の大膳神社能舞台で薪能と鷺流狂言がありました。
当館ご宿泊のお客様は、早めのお食事をとられ、17:00頃お夕食、18:00頃に会場の大膳神社へとご案内いたしました。いつもは大膳神社の裏口である大通り側に車を停めるのですが、それでは他の宿泊施設と一緒・・・ここは大膳神社の表参道である、細い小路からご案内。
苔むした参道がまた良い味が出ています。
この大膳神社能舞台は、新潟県の有形民俗文化財に指定されている建物で、薪能が開催される当日には必ず茅葺屋根に放水作業が行われます。茅葺屋根に薪の火が燃え移らないように、たっぷりかけてあげます。
舞台側に水がかからないように、ブルーシートを持ちます。地味な作業ですが、文化財保護の大切な仕事なのです。
この日は仕舞(しまい)、舞囃子(まいばやし)、鷺流狂言(さぎりゅうきょうげん)、能という順番で演じられます。
演能能組は真野能楽会の皆さん。仕舞や舞囃子は学生さんたちのお披露目的な舞台ですが、威風堂々の演技に観客も見とれます。
特に舞囃子での日野真木くんの演技は流石です。テレビ出演や新聞記事にも取りざたされ、若手能役者として期待されています。
以前にも書きましたが、佐渡の薪能はカメラマンに人気のイベント。
フラッシュ撮影は禁止ですが、皆さん望遠の良いレンズとカメラで狙い撃ちしてます。
「薪能の撮影なら佐渡へ!能の写真・画像・動画で幽玄な世界をあなたのカメラで収めましょう」
舞囃子が終わると、火入れ式が始まります。
巫女さんから火守さんへ松明が渡され、篝火(かがりび)に火が灯されます。
鷺流狂言の演目は「瓜盗人」。
鷺流狂言は新潟県指定無形文化財になっています。佐渡鷺流狂言研究会が、鷺流狂言の伝承と普及につとめています。
薪能の演目は「高砂」。
この高砂の演目の作者は世阿弥だそうで、人世を言祝ぐめでたい能の演目です。
お連れしたお客様は大満足。
狂言も面白かったし、能もみんな素敵だったと車中で興奮冷め止まぬ絶賛の声。
演者の皆様、運営スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。
伝統芸能を絶やすこと無く、受け継いでいってもらいたいと切に願います。
当館から大膳神社能舞台までの地図