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佐渡金山の新コース無名異坑(山師ツアー)

佐渡金山無名異坑

2018年4月からオープンした無名異坑コースに行ってきました。ここは上級者向け(マニアックでモノ好きな人向けw)の山師コースという、予約しないと入れないガイド付きのコースです。
通常は「宗太夫坑」コースで、こちらは江戸時代の坑道を掘っている様子を再現した人形がいるコース。地元の方は遠足などで行ったという方も多いですし、新潟県内の方なら小学校のときに修学旅行で訪れたという方も多いです。「道遊坑」コースは佐渡島内の方でも行ったことがないという人の方が多い、明治~昭和にかけての坑道の様子を公開したところ。

あとはガイド付きの予約しないと行けない2つのコースがあり、「ガイド付き世界遺産ツアー」と「ガイド付き山師ツアー」です。
世界遺産ツアーは既に行ったことがあったので、このガイド付き山師ツアーを申し込みました。

無名異坑
無名異坑

こちらは事前に予約が必要で、4月~11月まで入れます。一組2~10名までの制限があります。
坑道内は水たまりもあり、長靴が無いと歩けないのですが、長靴、ヘルメット、軍手、ライト、服が汚れないように雨合羽を佐渡金山の方が用意してくれます。この日は私達だけで貸し切りツアーでした。
料金は大人2400円、中学生1200円で、所要時間は100分程度だそうですが、私達は大切山の坑道は既に入ったことがあるので、大切山はパス。
佐渡金山の山師探検ツアーで大切山抗の坑道内へ探検!(佐渡世界遺産になる前に急げ!)

無名異
無名異

入り口から入ると、早速鉄分を含んだ赤い岩や土が見えてきました。
無名異焼は金鉱石を溶かすため、炭に空気を送る羽口と呼ばれるパイプの部分に使われました。人間国宝の伊藤赤水さんは元々は羽口屋さんだったそうです。

坑道
白カビ
白カビきらきら

坑道に入るとところどころが、白くキラキラしているものが見えるのですが、これは白カビだそうで、その白カビに坑道内の湿気が水滴となって付いて、ライトの明かりでキラキラ光って見えるようです。このキラキラしているのが、本当に綺麗なのですが、まぁカビです。

線路
トロッコ用線路

坑道内はトロッコの線路があり、鉱石を運んでいた当時を彷彿とさせます。前日雨だったせいか、ぬかるんだ感じになっており、長靴が無かったらきっと泥だらけでしょうね。また、壁もしっとりと濡れている感じですので、迂闊に触ると泥が付きます。カバンなどが付かないように気をつけましょう。

坑道内ランプ

ここで、当時のランプの明かりがどれぐらいだったのかというのを、体験します。燈明皿も無名異焼で作られています。この燈明は流石にろうそく並の明るさですから、これだけで坑道内を歩くのは非常に困難。時代とともに、灯りも進化してより明るく、遠くまで明かりが届くようになっていきます。

キクガシラコウモリ

坑道内にはコウモリがいるとのことでしたが、このコースは遭遇率は高そうです。ちなみに、キクガシラコウモリに出会えました。

無名異焼

坑道の中程に差し掛かると、無名異焼の作品が並べられ、無名異の土のサンプルも置いてありました。この土は門外不出で佐渡島外へ持ち出しが禁止されております。焼き上がった無名異焼の作品はお買い上げいただき持ち帰りが出来ます。無名異の土は昔は薬としても用いられ、血止め、胃腸薬などで使われたそうです。

坑道出口

この中程のところでは、「ほ~らいら、ほ~らいら♪」とやわらぎという歌が聞こえてきます。どうやら、宗太夫坑の出口付近が直下らしく、下から歌が聞こえてきます。ぐねぐねと入り組んでいるので、方向感覚がわからないのですが、無名異坑の入り口からググっと左側にある宗太夫坑の出口へと歩いていったのですね。

ダンジョン
ダンジョン

坑道はまだまだ続き、ガイドさんの説明を聞きながら進みます。途中ヘルメットを何度かぶつけてしまいましたが、身長が高い人は気をつけてください。勢いよくぶつかれば首やられますので・・・。

トロッコ
トロッコ

線路に頓挫しているトロッコ。明治時代のものと思われますが、朽ちた感じが時代を感じさせます。ここに鉱石を山盛りに積んで鉱夫たちが手押しで運んだのでしょうね。

鉱石
坑道入口

このトロッコが置いてあるところらへんが、一番奥らへんでして、そこから元の道を引き返していきます。滅多に来れない(二回来ようという人は中々いないと思われますが)ので、もう一度よ~く目に焼き付けつつ撮影しながら引き返します。

金鉱石

最後記念にということで、金鉱石をいただきました。
数に限りがあるかも知れませんので、欲しい!という方はぜひこの山師コースをご予約ください。もしくは売店に販売している金鉱石をお買い求めください。

佐渡金山公式HP
http://www.sado-kinzan.com/
〒952-1501 新潟県佐渡市下相川1305番地
電話:0259-74-2389 Fax:0259-74-3235
営業時間 4月~10月 / 8:00~17:30 11月~3月 / 8:30~17:00

当館から佐渡金山の無名異坑コースへの地図

佐渡汽船ジェットフォイルドック見学

今年の3月にあったジェットフォイルのドック見学という、レアなツアーに参加させていただきました。
車で言うところの車検のようなもので、年に一回定期点検をする際にせっかくならこのレアな所を見てもらおうという佐渡汽船の企画。現在佐渡には「ぎんが」「つばさ」「すいせい」と三隻のジェットフォイルがあり、中でも「ぎんが」はボーイング社で作られたもの。あとの二隻は川崎重工で作られました。

今回のドックは「すいせい」を見学するわけですが、ドックは信濃川河口にあり信濃川水面よりも下で作業をしています。案内するのは普段メンテナンスをしている工場の方たち。見学者は一応ヘルメットを着用して見学します。

ジェットフォイルは250人乗りと思いの外大きな船で、プロペラではなくウォータージェットで推進します。海水をポンプで汲み上げてジェット噴射しているわけですが、1分間に150トンもの水を汲み上げます。消防車の最大放水量に換算すると、およそ63台分だそうです。この強い推進力で水中翼を利用して海水面より浮いて翼走航海し、時速80km以上という高速走行出来るのです。
もともとは軍事目的のミサイル艇だったようですが、これを日本で初めて旅客運送用に導入したのが佐渡汽船だということを知っている人は少ないかも知れません。

ドック工場内に入るとまず目に入るのは、海に浮かんでいないジェットフォイル。
滅多に見ることが出来ない光景です。壁の色が変わっているところは、信濃川の川の水面で普段は仕切られて水を抜いているのですが、ドック終了時には水を入れて浮かせてからドックから出すのだそうです。なので、壁面を触ると汚れるので注意が必要と言われました。さて、下に降りてみましょう。

下から見たジェットフォイルです。ピカピカに磨かれた特殊なステンレス製の水中翼ですが、貝や藻などが付着していると燃費も悪くなるので綺麗に磨くのだそうです。
そしてこの水中翼ですがなんとこの水中翼だけで7億円もするのだとか。この水中翼は強い衝撃を受けると乗客を守る為外れるようになっていて、過去にクジラなどの大型生物に衝突した際に2回程落としているのだそうです。流石に7億円ですから海底から引き上げたこともあるのだとか。この水中翼にはまだ秘密があり、水中翼のところにスピーカーが付いていてイルカやクジラが嫌がる音を出して極力衝突を避ける工夫がしてあるそうです。

この網のようなものはジェットフォイルの推進に重要な吸水口で、チタン製のグリル(およそ3000万円の特注品)が付いていて、ここから海水を吸い上げジェット噴射によって推進します。導入当初はこのグリルも無かったそうで、海の漂着物が詰まって動かなくなったり度々あったそうですが、佐渡汽船の度重なる改造によりグリルを付けたり、吸水口が詰まっても逆噴射をしてゴミを取り除く装置を付けたり、安全走行出来る仕組みを整えてきたのだそうです。

ここは船の後ろにあるジェットエンジン格納スペースです。ガスタービンエンジンが左右に二つ搭載されています。この時は取り出してメンテナンスしている所でした。

船には様々なセンサーが付いていて、ここには加速度センサー、船の真ん中にはジャイロセンサー、高度センサーなどから情報をACSコンピューターで感知し、船酔いしないように高さを一定に保ち揺れを防いでいるのです。

普段工場などに入ることがないので、これが当たり前の光景なのかどうかわかりませんが、道具もきちっと整理整頓されております。こんなに様々な工具が必要なんですね。

この日はドック見学の人数も多かったので、二手に分かれて見学。ジェットフォイルのドック見学を始めたのは最近ですので、まだ知らない方も多いようです。滅多に見れない操縦席も見学。普段は4人の船員さんがここにいるわけですが、操縦桿はまさに飛行機そのものです。さすがはボーイング社のデザインといったところでしょうか。

こちらはガスタービンエンジン。予備に2機ありドック入りした際に予備と入れ替えてローテーションしながら使っているそうです。

特殊なネジや部品などは、このドック内の工場で作成することもあり、盤旋などの特殊な機械も設置してあります。

このプロペラは岸壁に付ける際など翼走航海から着水(水中翼を上げた状態)した際に使われます。

急旋回や緊急停止などの安全性の説明には本当に関心します。普段何気なくジェットフォイルに乗っていましたが、説明されると本当に素晴らしい乗り物だなぁと思えます。緊急停止の比較で、時速80kmの車と時速80kmのジェットフォイルでは車は停止距離が80mに対して、ジェットフォイルは90m、カーフェリーなどの船だと時速35kmに対して520mの停止距離なのだそうです。

ここが信濃川とドックを隔てている壁の上です。

上から見るとこんな感じ。右側が信濃川、左側がドックです。かなりマニアックな光景ばかりですが、この川との隔たりのところがサンダーバードを彷彿とさせる基地感がありワクワクしませんか?
出来ればドック終了の際に水を入れるところも見てみたい気がします。

こんな感じでドック見学が出来ます。ドック見学ではまだまだ細かな説明や解説もありますので、ぜひドック見学の機会がありましたら佐渡汽船まで申し込んでみてはいかがでしょうか。

佐渡金山の山師探検ツアーで大切山抗の坑道内へ探検!(佐渡世界遺産になる前に急げ!)

佐渡金山 道遊の割戸

佐渡金山といえば、坑道の中に「早く外に出て酒を飲みてぇ。馴染みの女にも会いてぇなぁ。」などの台詞を言う人形が動いていて、江戸時代の当時の坑道の様子を再現したコースがお馴染みですよね。私が小学生の頃に遠足で行ったのは、この宗太夫坑コースで、おそらく佐渡の人や元佐渡島民の方もこのコースには行ったことがある人は多いと思います。

佐渡金山には最近出来た新しいコースがいくつかあるのでご紹介しましょう。
・宗太夫坑コース 大人900円 小人450円
・道遊坑コース 大人900円 小人450円
・産業遺産ツアー(精錬施設) 大人1400円 小人700円
・産業遺産ツアー(採掘施設) 大人1400円 小人700円
・山師探検ツアー 大人2400円 小人1200円

詳しくは佐渡金山の公式HPの料金表をチェックしてみてください。

さて、山師探検ツアーについてですが、こちらは前日までに予約が必要です。何故予約が必要かというと、坑道内に水が溜まる為、予約がないと水浸しになっているのだそうです。それを聞いただけでも、なんだか凄いところに行くのだなぁと想像してしまいます。このツアーは10:00出発と、14:00出発のどちらかが選べますので、予定に合せて時間を選びましょう。
予約は電話でオッケーですので、この山師探検ツアーに申し込む際には下記に電話しましょう。事前に靴のサイズを聞かれますので、同行する人の靴のサイズは予め聞いておきましょう。

事前準備についてですが、ヘルメットや、軍手、長靴、雨合羽(汚れ防止や防寒として)、懐中電灯を当日貸してくれます。
ただし、長靴を履いていたとしても、坑道内の泥ハネや、壁についた土などで思いの外汚れますので、綺麗な格好していくのはNGです。かばんやリュック、カメラなど持っていく人は注意しましょう。

当日ですが、まずは受付を済ませましょう。料金を支払ってチケットとパンフレットをもらいます。夏場などは受付が特に混み合いますので、早めに行っておくと良いかも知れません。
佐渡金山

待ち合わせ場所は受付のすぐ隣りの自動販売機が置いてあるところです。受付の係の人の案内があるとは思いますが、こちらの看板が目印です。移動は佐渡金山の車で行きます。お手洗い等は事前に済ませておきましょう。
山師探検コース

まずは大切山抗からの探検。ガイドさんから金山に関する説明があった後、装備についてのチェックを。ここでヘルメット、長靴等を着用します。
坑内は真夏でも10度前後で、坑内だというのに風も吹いているので、体感温度としてはそれ以下のように感じます。私はひんやりして気持ちいいのと、興奮で体温上昇しているので半袖のままで突入しました。
大切山抗

佐渡金山の岩盤はとても硬く、1日数メートルしか掘れなかったというこの岩盤。ゴツゴツしていて、ノミの跡もちらほら。
江戸時代にこれが掘られていたと思うと、なんだかこの坑道がタイムトンネルかのように時代を感じさせてくれます。
大切山抗

撮影については自由に行って良いそうですが、フラッシュがないと厳しいかも知れません。私が持っていったのは割りと光量のあるタイプのフラッシュですので、これぐらい映りましたが、スマートフォンとかだと、懐中電灯の明かりを追加してなんとか映るかも知れません。三脚を持っていったのですが、泥だらけになりますので予めご注意を。ちなみに岩壁の白いのはカビです。
大切山抗

坑道の中は案外と風の通りがあり、空気が循環しています。本来坑道で一番危険なのは崩落ですが、酸素が無いのもまた危険で、見えない分気づかないのだとか。そして、その空気を循環させるために先の画像のように二つ平行して掘っていったのだそうです。懐中電灯の明かりが無いと、本当に真っ暗闇の坑道内。ガイドさんの指示で、メンバー全員の懐中電灯をオフにするのですが、一寸先は闇というのがまさにこのことか!という状態でした。
トロッコ

トロッコのレールの上を歩いていくと、かなり広くなっているところがあり、まだまだ先があるようだったのですが、ここで終点とのこと。江戸時代に掘った場所と、明治以降の近代化されてから掘ったところが点在していていましたが、案内板もついていないようなガチな洞窟探検。帰りは同じ道を引き返す格好となります。
大切山坑

坑内は天井も低く、ヘルメットを何回かぶつけていましたが、170cm以上の方は頭上に注意しましょう。
この後南沢疎水坑へと行くのですが、また次の記事にて紹介したいと思います。

ちなみに、洞窟内にはモンスターはいませんので、剣や盾などの装備品は洞窟の外で外してください。ヘルメットと懐中電灯と長靴の装備で十分です。寒さ予防に雨合羽を着ればバッチリだと思います。
洞窟内のモンスター

南沢疎水抗へと続く

当館から佐渡金山までの地図