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佐渡のナイトカヤックなら達者がおすすめ

佐渡ナイトカヤック

佐渡島で超絶おすすめなアクティビティが、この達者でのナイトカヤックです。以前小木のナイトカヤックをおすすめしましたが、あれはあれでとても素晴らしいのですが、このナイトカヤックは達者海岸だからこそ体験出来る美しさといったところでしょうか。
まずこれがどこで予約出来るのか?というところからお伝えしておきましょう。
https://showbyjaws.com/

昼間は昼間の美しさを体験出来ると思うのですが、私が超絶おすすめなのは夜。季節によって時間が異なるのですが、マジックアワー(日が沈んだ後の残照時間)に合わせて開始がおすすめです。

マジックアワー

この夕日が日本海に沈む時間を堪能しつつ、夕闇が徐々に広がっていく様の美しさといったら写真では表せる限界があります。この日はたまたま予約した日が天気もよく、波も穏やかだったのでα7RⅣを片手に乗り込むことにしました。当然海の上ですから、落ちたりバランスを崩してカメラを水没させてしまう可能性もあるので、ハウジングをつけるか、何らかの防水手段を施した方が良いです。またスマートフォンで撮影する際にも、フローターをつけたり、首から下げる防水ケースのようなものを購入することをおすすめします。

シーカヤックパドル

まだ明かりが残るうちに精算を済ませ、軽く準備運動をし、パドルの使い方などのレクチャーを受け、いざ!マジックアワーの海へと出航です。この残照があるうちにある程度撮影しておいたのが正解でした。やはり暗くなるとブレたり、ISO感度ガンガン上げての撮影でザラついた使いもんにならない写真を量産していました。

ナイトカヤック

このカヤックの下にライトがついているわけですが、集魚灯(魚が集まりやすい水中ライト)をカヤックの底に付けてあります。このライトが海底を照らし、海の中をドラマチックに演出してくれるとともに、魚を集めてくれて、イカやトビウオ、イワシやサヨリやフグなど様々な魚が見られます。実はこのアイデアはこうすると絶対佐渡の海でやったら人気出るよね!と私が助言したのを実行してくれた方がいて、その方が達者でも伝えてくれて実現したものです。(あちこちでこの集魚灯カヤック&SUPのアイデアはお伝えしました。)

マジックアワー

ナイトカヤックは複数台いた方が、集まった際の明かりの強さも出ておすすめです。インストラクターの方が1艘出るので、最低でもあと3艘ぐらいあると良いなと感じました。(この日は合計4艘)
スマートフォンで撮影する際にも絵になります。私のようにミラーレス一眼をハウジング無しで持っていく無謀はやめた方が良いです。もし、漕ぐのに自信がないという方は、インストラクターさんとタンデムシートで乗ってもらい、自分は漕がないという選択もありかもしれませんので、そこらへんはご相談でしょうか。

ナイトカヤック

どうでしょうか。この残照が残る空の下に広がる、海藻の世界。カメラでは写すことの出来ない全景は、体験しないとわからない世界。とはいえほんの切り取りではありますが、ある程度伝わるのではないでしょうか。ただただ、美しい。

ホンダワラ

おそらくホンダワラの類でしょうか。大きく育ったこの海藻が海の中の森のような感じで、この海藻があるからこそ、魚の住処となったり、産卵する場所となったり、多くの生き物を育む要因となるんですね。これがライトアップされると本当に美しい。

集魚灯

集魚灯に寄せられた魚たちが撮影出来ました。ナイトカヤックは景色も素晴らしいのですが、この集まってくる魚たちも素晴らしいのです。季節によって集まる魚は違いますので、何度行っても楽しめること請け合いです。この達者の海岸は砂地のところから岩場へと向かうこの瞬間が撮影ポイント。海岸の右側には岩場の洞窟があり、そこを潜り抜ける時が本当に素晴らしい。

龍の洞窟カヤック

この達者の海岸にある洞窟ですが、「龍の洞窟」と言われるそうで、龍の伝説があることからその名がついたのだとか。詳しくはインストラクターの岡部くんに聞いてみましょう。この龍の洞窟をナイトカヤックで潜り抜ける際に、集魚灯の明かりが乱反射し、洞窟全体が光輝いて見えます。ここは日中でも日が当たらない場所ですので、少しヒンヤリします。
この洞窟から見る残照の空とのコントラストも絶景ですので、ぜひ写真に収めてください。

佐渡ナイトカヤック

波があると洞窟内はウネリが発生しやすく、危ないかもしれません。そこはインストラクターの言うことをちゃんと聞きましょう。また、船酔いするという方は、予め酔止めをドラッグストアなどで買って乗る前に飲んでおいた方が良いと思います。天気に左右されるアクティビティですので、インストラクターが今日は危ないと判断したら、それは諦めましょう。
お客様によっては滅多に来れない佐渡島のナイトカヤックかもしれませんが、せっかくならベストな感じでトライしていただきたいですし、安全第一ですからね。数日滞在する場合は、その旨お伝えし予備日なども含めて予約を検討してみてはいかがでしょうか。なかなか夏のハイシーズンともなると予約が取りづらいかもしれませんけど。

見てください、この魚の群れ。シーカヤックに追走するように押し寄せてきます。パドルを漕ぐのをためらう程の大群です。ここは洞窟を抜けた後の場所で、ここまで来ると辺りは暗くなってきます。もう星空が見えてくる時間帯ですね。とはいえ、三脚も無いし手持ちで星空を撮影してもキレイに撮れないので、多くは望みません。
日によっては月明かりなどもあるでしょうから、月齢などもチェックしてみると良いかもしれません。

この日同乗した体験者の方が、手づかみでサヨリらしき魚を捕まえて、そのまま踊り食いしてみる!ということで、捕食シーンを撮影。なんといいましょうか、ホラーな感じではありますが、、、生臭いのでやめた方が良いのと、万が一寄生虫などにやられる可能性もあるので、皆さんは真似しないようにしてください。
まぁ、網などがあれば掬えるぐらい魚が寄ってきますが、小さい小魚ばかりですので、せいぜい唐揚げにする程度だとは思いますが。

おおよそ2時間ちょっとだと思いますが、水没することなく戻ってくること出来ました。景色の素晴らしさもさることながら、こんなにも魚が集まり、ライトアップされた達者の海の中、岩肌の様子、時間によって変わっていく空の景色、どれをとっても素晴らしい体験が出来たと思います。
遊園地の一瞬で終わってしまうアトラクションに比べれば、こんなにも長い時間を自然と一体になって楽しめるのは、かけがえのない想い出となること間違いなしだと感じました。
お天気次第の体験ではありますが、ぜひベストなタイミングで体験されることを願っております。

ちなみに、8月~9月ぐらいにかけて夜光虫が沢山龍の洞窟近辺に発生し、オールを漕ぐたびにキラキラと光って、めちゃくちゃ幻想的。そして、波打ち際にはウミホタルも見られ、本当に素晴らしいスポットなんですよね。

達者 ウミホタル

達者 ウミホタル

達者のカヤック&SUPの体験申し込みはこちら

住所:〒952-2135 新潟県佐渡市達者486
TEL:070-4428-0938
https://showbyjaws.com/

公式Instagram https://www.instagram.com/showbyjaws/

佐渡観光のオーバーツーリズムの弊害について考える

乙和池浮島

世界の持続可能な観光地100選になった佐渡市。また、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」として世界文化遺産の国内推薦することが決定しました。これらはニュース性のある観光にとってはプラス材料です。一方、世界文化遺産登録については反対意見もあり、その一因となっているのがオーバーキャパについてです。これらは宿泊施設や飲食店などのサービス低下により、佐渡の評判を落としてしまうという懸念が大半です。
インターネットで「佐渡 オーバーツーリズム」などで検索すると日本政策投資銀行が「佐渡市の金山」世界文化遺産登録を契機とした地域価値の向上に関する調査報告書と題してまとめてあるのがヒットします。こちらを読むと、受け入れ側のオーバーキャパについて触れられていますが、もう一つ屋久島や白川郷などの環境破壊についても触れられています。

日本一のトビシマカンゾウの群生地 大野亀

訪れる観光客が増えれば、一定数マナーの悪いお客様も来客することは否めません。わかりやすい事例で言うと、日本一のトビシマカンゾウの群生地である大野亀。5月〜6月ぐらいにかけてトビシマカンゾウの大群生を一目見ようと、観光バスも複数台、レンタカーや自家用車が通常用意してある駐車場に収まらず、臨時駐車場を草刈りをして整備し、交通誘導しないと来客に対応出来ない程です。

そして、コロナ禍だからなのか、昨年などはマスクの落とし物がいたるところに散見しました。ごみ問題もさることながら、良い構図で写真を撮りたいがため、花を踏み荒らしてトビシマカンゾウの群生の中に入って撮ろうとするカメラマンがいることです。これは直接的な環境破壊と言えます。これらは目に見える弊害ですが、実は目に見えない弊害もあります。

高層湿原性浮島

こちらは大佐渡スカイラインからほど近い、乙和池という天然の池です。高層湿原性浮島があり、その大きさに至っては日本一と言われる県指定の天然記念物の場所。静寂な新緑が鏡のようになった池の水面に映り込み、絶景スポットとして人気です。こちらは観光バスが立ち寄ることが難しい、乗用車がすれ違うのがやっとな細い道の奥にあり、駐車場も乗用車が7〜8台ほど停まればいっぱいになる場所です。

光るキノコ 月夜茸

9月頃にはこの池に生えるツキヨタケというキノコが見れます。このキノコは枯れたブナやミズナラに寄生するのですが、完全に朽ちてしまうと発生しません。近年このキノコの数が増えたのは、ブナやミズナラが枯れたということであり、その枯れた原因のひとつがこの池に訪れる人が増えたことに起因するのではないかと、地元の樹木医の方からお話を聞きました。

樹木医の方いわく、乙和池の周りの遊歩道になっているところに、むき出しになった木の根っこがいたるところにあり、それを人が踏み傷つけることで、悪い菌が入り込み樹木が弱っていき、やがて倒木するほど枯れてしまうこともあるのだとか。(他にも様々な要因がある)

乙和池の倒木

こうしたオーバーユースの対策として、ウッドチップを遊歩道に敷いて、樹木の根のダメージを軽減するという取り組みをしました。これも非常に難しく、ウッドチップを厚くしすぎると、そこに悪い菌が繁殖し樹木や周辺の環境に悪影響を与えることもあるそうで、経過観察しながら慎重に環境を見守らなければならないそうです。

こうしたオーバーツーリズムの目に見えない環境負荷は、ダメージが目に見える段階になると取り返しがつきません。だから閉鎖する、やめるなど閉ざしてしまうのではなく、共存していく道をどうやったら構築出来るかを考えねばなりません。例えば、乙和池の自然を守るために神社にお賽銭兼募金箱のような感じで設置して、訪れた方に寄付を募り、その集まった金額で集落の方の整備資金、樹木医の方への謝礼金などに当てるなどやり方はあるはずです。

乙和池神社

こうした自然の絶景スポットは訪れる人が増えても、地元にお金が落ちる仕組みに繋げるのは難しく、大野亀に関しては大野亀ロッジにその時期になるとお客様が殺到し、そこにお金が落ちるぐらいで、駐車場整備をしたり、トビシマカンゾウ以外のススキや蔓性植物などの草刈り駆除など掛かる費用に対して直接的な売上に直結する仕組みはありません。もちろん、訪問の需要があれば交通機関、宿泊施設、飲食や土産屋なども間接的な売上に繋がるのだとは思います。

佐渡島も含め自然景観をウリにしているところは、きっと同じ悩みを抱えていると思います。
何か良い解決策はないか、いつも考えてはいるのですが、答えは見つからず。
今後も私に出来うることをこの発信ということを含め、していきたいと思います。

最後にこのブログを最後までご覧になった方へお願いを一つ。
樹の周辺を歩く際には、なるべく木の根っこを踏まないように気をつけて歩きましょう。でも決して怪我はしないように。

海府大橋下の大ザレの滝への行き方

大ザレの滝

外海府の県道45号線沿いにある海府大橋。その橋の下には落差70mの滝があるけど、海岸まで降りないと全景は見えません。なかなかの藪こぎの難所であることは、ネットで検索するとわかると思いますが、最近大ザレの滝へと降りる人が多いのか、わりと歩きやすくなっていました。(自分比)

大ザレの滝へ降りる道は柿畑のところから行くのですが、入り口はこんな感じ。(GoogleMAP

大ザレの滝への道

棘のある草木が多く、ハサミやナタがあったら切りたいところでしたが、交わせないことはないので踏みつけたりしつつ進みます。枯れた沢のようなところをひたすら降りていきます。滑りやすくなっているので注意しましょう。

大ザレの滝への道

波の音が聞こえるところまで降りてくると、視界がひらけているところから大ザレの滝方面へと振り向くと、海府大橋が見えました。滝から数百メートル離れているので、海岸まで降りたら滝までは海岸をひたすら歩きます。約100mぐらいの高低差を降りていくということは、帰りは当然登りとなるわけですけど。

海士町 漂着ゴミ

海岸まで降りるところが、若干わかりづらいのですが眼下に海岸が見えればどこから降りても海岸にはたどり着けます。海岸まで降りてしまえば、あとは滝方面へとひたすら歩けば良いのですが、丸っこい大きな石がごろごろ転がっていて、非常にあるきづらいです。波打ち際は砂利になっていて、沈み込むのでこれまたなかなかあるきづらいです。

ここの海岸は道路からのアクセスも悪いので、海岸清掃されておらず、漂着ゴミや流木、漁具などが沢山流れ着いています。

大ザレの滝

橋のところまで来ると、大ザレの滝がようやくお目見えです。
以前は川が漂着物でせき止められ、滝のリフレクションがキレイに撮影出来たのですが、爆弾低気圧による川の氾濫ですべて流されて、川の河口の様子が変わってしまいました。

大ザレの滝正面

滝へと近づくと、海府大橋は崖の影に隠れてフレームアウト。こちらは大ザレの滝の正面から撮影。川の水深が浅いところもあるので川に入って撮影となります。

大ザレの滝 横

こちらは大ザレの滝横からの撮影。全景を撮るには広角レンズじゃないと入り切りません。
重たい三脚を持ってはきたのですが、NDフィルターを忘れてきてしまい、、、長時間露光する必要がなく手持ち撮影。

大ザレの滝

大ザレの滝の落口です。とはいえ、この上にもう一段あるようです。合わせて落差70mのようです。海岸からは上段の滝は見えません。

大ザレの滝

水分補給のため持ってきたペットボトルに滝の水を汲むの図。
写真て工夫次第でいろいろな楽しみ方がありますよね。

大ザレの滝は佐渡島内の名のある滝では海に一番近い滝です。
本当は海からアクセス出来れば良いのですが、断崖絶壁が多くてチャレンジしてみたものの、結局一部は泳いで渡るという結果に。グーグルマップの衛星写真を見るといけそうな感じはしたのですけどね。

大ザレの滝は夏場は草木が生い茂るし、虫も多くなるので、早春か晩秋あたりに行くのが良いと思います。
冬に行って氷爆を見たい!というのなら、それなりの装備を整えていくことをおすすめします。

当館から大ザレの滝への地図