タグ別アーカイブ: 御所跡

順徳上皇最後の地といわれている「堂所御所跡」に行ってきた。

堂所御所石碑

やっと念願の堂所御所に行ってきました。
なぜこんなにも行きたかったのか、そこには石碑しかないのに。決してスピリチュアル的な「呼ばれた」だの「運命だった」だの言うつもりはないのです。ただ、識りたいだけという知識欲と、佐渡のことなら何でも識りたいという佐渡欲とでも言いましょうか。

堂所御所跡とは、順徳上皇が絶食の後崩御されたとされている御所のことで、一般的には黒木御所跡の方が長く住まわれたとされています。順徳上皇の佐渡在島中の記録は殆どなく、正確には不明とされているようです。そんな堂所御所跡は車で行けるようなところにはなく、現在の観光マップや観光冊子などにも掲載されておりません。

私も堂所御所跡には人に聞きつつ、3回ほどトライしてみたものの、一向に辿り着けませんでした。
後で知ったことですが、かなり近くまで行っていたのに見つけられなかったみたいです。

今回は記録も兼ねてブログ記事にて道のりを写真とともに書き記しておきます。

まずは真野御陵に向かうようにして行く途中にある、検診センター入り口という看板を右に曲がります。この間進行方向右側に真野川が見えます。
検診センター入り口

しばらく進むと左手に検診センターが見えるので、それを通り過ぎるとオフロードの道へ突入となります。
写真奥へと進むと、最初いきなり分岐っぽく見えるのですが、右に行っても行き止まりですので、そのまま左方向にすすみます。写真上部に見えるのは橋です。
検診センター奥

しばらく川沿いの一本道を進むと、砂防ダムの方へと向かう坂道が左手に見えます。かなり藪ですが、車が傷ついてもいいから行く!という方はそのまま真っすぐおすすみください。車が傷つくのは嫌だ!という方はここらへんで車を止めて歩いて向かいましょう。
真野川砂防ダム

車で突っ込むとこんな状態です。両脇から生い茂った草木が一斉に襲いかかります。「木ーーーぃ」という鉄に爪を立てたような音がしてきました。誠に痛々しい音でございます。
堂所御所跡への車道

真野川砂防ダムのフェンスを交わしてそのまま真っすぐ進むと、少し広くなった所に出ます。車2~3台分置けるぐらいのスペースはありそうです。
真野川砂防ダム駐車

そしてその砂防ダムには、水没林が美しい風景が広がります。北海道美瑛の青い池とまではいきませんが、天気の良い日は本当に美しい情景だと思います。
真野川砂防ダム水没林

砂防ダムを右手に見て、そのままダム周辺の歩道・・・といっても藪ですが、まっすぐ進みます。春から夏にかけて野イチゴなどのトゲトゲ攻撃が半端ないです。また、毛虫が結構発生するので注意が必要です。
所々にピンクのリボンがついているので、そちらを道標に進みましょう。
堂所御所跡への目印のリボン

この写真の沢まで来たら、少し戻りつつ斜面に向かって上がります。奥は杉林になっているのですが、入り口が少しわかりづらいかも知れません。
堂所御所跡への道分岐点目印

ここにもピンクのリボンがいたるところに付いているので、これを道標がわりに進みましょう。その先に堂所御所跡があります。登りは少々厳しい感じです。
堂所御所跡への目印

しばらく杉林を進むと、少し開けたところに石碑のようなものが見えます。まったくそれらしい立て札等はなく、いきなり石碑がドーンっと立っております。写真中央の杉からチラリと見えているのが、堂所御所跡の石碑です。
堂所御所への道

辺りには何もなく、ただこの石碑だけが立っているだけです。本当にこのような山奥に順徳上皇がいらっしゃったのだろうか。今から773年前の、仁治3年(1242年)9月12日この地にて崩御されたそうです。都に帰る望みがないのと、病気を患っていたことから、断食を行い、最期は自らの頭に焼石を乗せて亡くなったと伝えられています。堂所御所石碑

順徳上皇の20歳の時に詠歌は小倉百人一首の100番に採用されています。
「百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり」(順徳院)

承久の変に敗れ、佐渡へ配流となった順徳上皇が最後に残した辞世です。
「思いきや 雲の上をば 余所に見て 真野の入り江に 朽ち果てむとは」

そんな順徳上皇の最後の地がここだったのか、定かではありませんがお参りを済ませここを後にしました。
堂所御所石碑

石碑には大正3年3月建と刻まれています。約100年前に建立された石碑です。
堂所御所石碑

第84代天皇だった順徳上皇の配流の地、佐渡。
様々な歴史を刻んできたこの島のほんの少しではありますが、歴史の一幕を垣間見ることが出来ました。あまり歴史は得意ではありませんが、この地にそんな偉い人が住んでいたのだと想うことが出来ました。

もし、この堂所御所跡に行ってみたいと思う方は、検診センターらへんで携帯が通じなくなると思います。
そんなに難しい道ではありませんが、十分注意して上がることをおすすめします。
堂所御所石碑

当館から検診センターまでの道のり

堂所御所跡のおおよその場所