タグ別アーカイブ: 能舞台

天領佐渡両津薪能 紅葉狩

天領両津薪能 紅葉狩

9月7日土曜日に開催された、天領両津薪能の演目は紅葉狩。ツレさんが4人も登場する豪華な始まりです。
今回はSONYのα7RⅣが(9/6発売)ちょうど手元に届いたばかりなので、その機能も試すべく撮影してまいりました。使用したレンズは85mmと24mmのSONYのGM単焦点レンズで撮影。本来はカメラ2台でバシバシと撮影すれば良いのでしょうけど、私はいつも現場でレンズ交換しつつ撮影しております。落としたり、ホコリがセンサーに入るリスクもあるのですが、まぁ後で掃除すればいいやという安易な考えのもと行っております。

さて、佐渡の薪能については撮影OKなものが多く、薪能の幽玄な世界をカメラに収めたいというカメラマンの方にも人気です。わざわざ薪能の撮影の為だけに、泊りがけで佐渡にご来島される方もいらっしゃいます。

天領佐渡両津薪能

天領佐渡両津薪能は5月~10月(8月を除く)までの第一土曜日の19:30より開催され、協力金としてお一人様1000円いただいております。
薪能・狂言・文弥人形カレンダー

この日は火入れ式に間に合わず、既にツレさんが登場した後でした。
撮影の話で少々マニアックではありますが、暗部までしっかりと記録されたRAWデータを現像した時は驚きでした。このカメラの性能は以前よりも比べて格段にすごいとは思っておりましたが、ここまでとは!と驚きを隠せません。そして、以前使用していたα7RⅡのシャッター音に比べると半分以下の音量やシャッターショック。(α7Rのシャッターショックは酷かった)薪能のような静まりかえった雰囲気での撮影でも、遠慮なくシャッターを押せます。

紅葉狩
紅葉狩
薪能

紅葉狩のお話は観世小次郎信光作で、船弁慶や鐘巻(道成寺の原型)といった鬼退治も入ったチャンバラ入った見応えある演目。
4人の女性が紅葉を見ながら宴を催していたところ、通りかかった平維茂に一緒にどうですかと声をかける。美しい女性にお酒を注がれ、酔いつぶれてしまいます。武内の神が酔いつぶれた平維茂の夢の中に現れ、平維茂を篭絡した女は戸隠山の鬼女であることを告げ、八幡大菩薩からの下された神剣を平維茂に授けます。夢から覚めた平維茂に姿を現した鬼女が襲いかかり、激しい戦いの末に神剣で鬼女を退治します。

紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩

昔は音声ガイドイヤホンがあったので、解説を聞きながら観覧出来たのですが勿体ないですね。(機材の用意や人員がいるので中々難しいのですが。)
入り口で渡された資料を見ながらとなると、暗いので見えないし、明かりをつけると雰囲気壊しちゃいますからね。とはいえ、撮影するなら事前に演目がわかっているでしょうから、予習して撮影すると良いでしょう。何もわからないで撮影するのと、この能の演目の見どころはこういうところであると事前にわかって撮影するのとでは、作品の出来が違ってくるでしょう。

紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩
紅葉狩

薪能は薪が燃えるパチパチする音や、コオロギたちが鳴く音、風の音、すべてが音響であり雰囲気を楽しむ演出であると思っております。これは写真では表現しきれません。また、この日は夜空には星空が美しく見えていた日でもありました。これは肉眼で見ないと舞台と星は一緒に写せません。今回85mmと24mmの単焦点レンズでの撮影でしたが、あまり望遠で撮影してもキレイに撮影出来る自信がないのと、見ている側に臨場感が伝わりにくいし、全体的な雰囲気を見ていただきたいと思ったので、このレンズをチョイスしました。一番うしろから55mmぐらいのレンズで撮影するのも良いかもしれません。

薪能

撮影される際には、補助光やフラッシュ、カメラのピント音などを消してから撮影しましょう。(オフに出来る機能があれば)スマートフォンで撮影される際には、フラッシュをオフに、そして前列で高く掲げて撮影されるのはおやめください。当然ではありますが、携帯着信音はオフにしておきましょう。最低限のマナーです。
また、ここは神社の境内でもありますので、始まる前か終わった後にはお参りを済ませることをおすすめしたいです。

ぜひ佐渡の薪能の撮影に起こしください。

牛尾神社の能舞台で例祭宵宮奉納薪能を観覧

牛尾神社薪能
6月12日に開催された牛尾神社例祭宵宮奉納薪能を撮影してきました。薪能の開催の日は土日が多く、また薪能開催にめがけてお泊りする方も多く、なかなか見に行けないこともあり、今回やっと撮影の機会を得ました。
薪能を撮影した写真素材の中でも牛尾神社の薪能の時は6月と梅雨の時期で、雨が振ったり予定が合わなかったりとあまり良い写真もなかったので、今回は沢山撮っておかねばという気持ちもあり、ついついシャッターの無駄押しも増えてしまいました。
牛尾神社例祭宵宮奉納薪能の開始時間は19:00からで火入れ式など終えて演能開始は19:20ぐらい。演目により多少前後しますが、20:30ぐらいには薪能が終了し、その後地元の鬼太鼓があります。

牛尾神社参道
牛尾神社には2つの参道があり、今回は大鳥居のある参道から参りました。この日は受付があり協力金として500円お支払い。到着すると既に知った顔ぶれのカメラマンさんたちがいっぱい。佐渡の薪能は撮影オッケーで常連さんもいらっしゃるのでマナーが良い人が多いです。ただ、観覧される方の中にはタブレットのような大きなディスプレイで撮影されるので、後ろから見ていると大変目立つのでディスプレイ光度を控えるとか、何かしら配慮があるといいのになぁという感じ。
またフラッシュの切り方をわからないのか、フラッシュがないとロクな写真が撮れないのか、バシャバシャと平気で撮影する方もいらっしゃるので、こちらも控えていただきたいものです。
最低限ピピッという電子音をオフにすること、補助光をオフにすること、撮影する方はなるべく後ろの方で撮影することを守っていただけたらなぁと思います。

牛尾神社例祭宵宮奉納薪能

厳かな雰囲気ですが薪能はあくまで奉納の意味であり、本土で開催されているようなお能とは少し違います。まずは祝詞をあげ玉串奉納し、次に火入れ式になります。

薪能火入れ式
薪能火入れ式

火入れ式ではお祓いしたあと薪に火を付けていくわけですが、この帳の落ちた時の色合いがまた素晴らしい。薪に火が入りパチパチと音が鳴り始めると、笛の音が鳴り響き、いよいよ開演となります。

薪能 雲林院

今回の牛尾神社薪能の演目は「雲林院(うんりんいん)」で、京都にあるお寺の名前。伊勢物語を愛好する芦屋公光が夢を見て、雲林院を訪ねます。公光が桜の枝を折ろうとすると、翁が現れ咎めますが、二人は花を詠んだ詩歌で心を通わせます。翁は公光の夢の話を聞くと、伊勢物語の秘伝を表そうと言って消えてしまいます。夜、桜の木の下で眠る公光の夢の中で在原業平の霊が現われます。業平は二条后との恋の話などを語り、舞を舞います。やがて公光の夢も覚めるというお話。

薪能 雲林院

ちはやぶる かみよもきかず 龍田川 から紅に 水くくるとは
百人一首でそんな句があったなぁと思い、ついつい調べていくうちに、この雲林院に出てくる物語である伊勢物語の在原業平と二条后のお話に繋がりました。こうした調べ物をする時間がとっても楽しく感じるのは年を取ったからでしょうかね。若いうちにこうした楽しさを知っていれば、もっと勉強も出来たであろうにと思うわけであります。

薪能 雲林院

牛尾神社の拝殿と能舞台を見るお客様たち。私はいつも三脚不使用でして、なるべく明るいレンズで撮影しつつ舞台を引きで撮っています。その方が雰囲気が伝わりますし、観光の写真素材としては活きてくるからです。この帳の落ちた空の青さ、薪の炎がゆらめき、能舞台では時代を越えた物語を演じている。こんな時間の過ごし方があったのかと思うわけですが、伝わりますでしょうか。

薪能 在原業平

いよいよ在原業平が橋掛りから登場します。物語も終盤に差し掛かったわけですが、ここから在原業平の舞をじっと眺めます。

薪能
牛尾神社 薪能
牛尾神社能舞台 薪能

本当はもっと枚数を撮っているのですが、Facebookのアカウントでアルバム投稿してありますので、そちらをご覧ください。
牛尾神社例祭宵宮奉納薪能Facebookアルバム

幽玄 橋掛り

薪能が終わり、地元の鬼太鼓が始まります。吾潟の鬼太鼓と潟上の鬼太鼓が見られます。翌日には吾潟と潟上の両地区のお祭りで、その前夜祭としてこの牛尾神社例祭宵宮奉納薪能があります。

鬼太鼓
鬼太鼓
鬼太鼓

この牛尾神社の横を流れる天王川では、この時期になるとホタルが飛び交います。この日は時間もなく、ホタルの撮影までとはいきませんでしたが、薪能を見た後ホタル観賞というのも贅沢な時間の過ごし方だと思いませんか。佐渡での贅沢な時間の過ごし方のひとつとしてご提案いたします。

牛尾神社
〒952-0103 新潟県佐渡市新穂潟上2529
電話:0259-22-2237

当館から牛尾神社までの地図

トキの羽根が拾えるかも?牛尾神社にお参りに行こう。

牛尾神社

毎年6月には薪能の演能がある牛尾神社。普段お参りに行く機会が無かったのですが、拝殿の彫刻がとっても素晴らしいのでその撮影に訪れました。カメラを変えたり、レンズを変えたりすると、また違った目線での撮影が出来ますよね。新たな気持で訪れると違った発見もあったりするものです。こちらの駐車場はちょっと入りにくいのと、出る時も車の通行量がある道路に面しているので、なかなか出にくいです。裏手の参道もあるのですが、出来れば表側の参道をおすすめしたいです。

大鳥居

大鳥居をくぐると、凛とした雰囲気に包まれています。
左手に天満宮の薬師堂があり、正面には拝殿、拝殿横には能舞台、拝殿前には樹齢1000年の安産杉があります。参道の杉はどれも巨木でこの神社が古来から由緒ある神社であることが伺えます。

安産杉

天満宮の屋根は茅葺き屋根で、風情があります。

天満宮 薬師堂

こちらが拝殿です。正面、横にも見事な彫刻が施され、当時の棟梁の技術の高さが伺えます。立体的に掘られたこの彫刻は本当に見事なものです。
脚立を持ってきて、本格的に撮影したいなぁと思いました。望遠レンズでの撮影では細部の細部までは再現出来ません。

牛尾神社

主に竜の彫刻が多く、鱗のひとつひとつが丁寧であり、ディティールも素晴らしいです。作り手によってはまんが昔ばなしに出てくるような、ほんわかした竜の表情だったり様々ですが、こちらの彫り物は写実的な感じで迫力のある竜です。

竜の彫刻

竜の彫刻

獅子の彫刻

龍の彫刻

お参りを済ませて、鳥居をくぐると何やら羽根のようなものが落ちているのを発見。やや朱色がかったこの羽根はトキの羽根ではありませんか!
私はお参りの時には必ず100円をお賽銭として入れるのですが、ご利益があったのでしょうか。人生初のトキの羽根発見に、嬉しさを隠せません。(ということでブログ記事に)

トキを幾度となく撮影しておりましたが、トキの羽根を拾ったのは初めてです。確か記憶によれば、ワシントン条約により販売してはいけないし、国外に持ち出してはいけない。という規制があったと思いますが、これを拾ってはいけないということは無いというのをお聞きしたことがあります。また、他人に譲渡してはいけないという注意があったような記憶もありますが、正しくは環境省にお問い合わせください。
環境省トキ情報

トキの羽根

そういえば、この牛尾神社の近くをトキがよく飛んでいるので、その時に羽根を落としたのでしょうね。
おそらく近くにトキの巣があると思われますので、巣に近寄るのはやめましょう。そして、拾った羽根は他人に譲渡などせず大切に保管しましょうね。
以前、専門家の方に紫外線に当てるといずれ色が抜けると聞いたような気がします。とはいえ、金庫などに保管しては見れないので、飾るのであれば直射日光の当たらないところに飾ることをおすすめします。

ちなみに、このトキの羽根は伊勢神宮の遷宮で奉納される須賀利御太刀の柄に、トキの羽根が二枚使われているのです。20年に一度新調されるのですが、これだけトキが増えれば安泰ですよね。第63回式年遷宮は2033年ですから、その時には佐渡島以外でもトキが見られるかも知れませんね。

当館から牛尾神社までの地図