カテゴリー別アーカイブ: 山野草・トレッキング

神秘的!夜の森の光るキノコ「ツキヨタケ」を見に行こう

光るキノコ ツキヨタケ

月夜茸(ツキヨタケ)というキノコをご存知でしょうか?
秋になるとブナの朽木などに生えるキノコなのですが、夜になるとこのツキヨタケがぼんやりと光るのです。昼間ツキヨタケを見ると、なんとも美味しそうなキノコなのですが、実は毒キノコで食べられません。

ツキヨタケ

ツキヨタケはハラタケ目ホウライタケ科ツキヨタケ属のキノコで、標高の高いところで多く見られます。特徴は軸の部分に段があり、縦に割くと軸のところが黒くなっています。
よくツキヨタケを食べて食中毒になる方がいるようですが、ムキタケというキノコに似ていて誤食するようです。食べると消化器系の不調があり、嘔吐、腹痛、下痢などの症状がおきるようです。また、見るものが青く見える幻覚症状を伴うことがあるとか。

ツキヨタケ

ツキヨタケの光は真っ暗闇でうっすら光っているかなという程度で、蓄光塗料が光るような薄いグリーンのような色で光ります。光るのはキノコの傘の下の部分で、上の部分や軸の部分は光りません。また、個体差があり、幼菌(キノコの傘が開かない時)や、傘の大きさが小さい時には光が弱すぎて見えない場合があります。

光るツキヨタケ
ツキヨタケ

このツキヨタケが光るのは、ランプテロフラビンという成分の生物発光によって、ツキヨタケのヒダの外に放出されると発光して見えるそうです。またヒダの外部は弱酸性の際に発光が強くなるそうです。
月夜茸の発光物質ランプテロフラビンの構造と合成研究

ツキヨタケが光っているのが見たい!と思い、情報収集していたのですが、何人からか情報を聞いた結果、乙和池に自生していることがわかり、昼間確認に行ったところ見つけました。乙和池右側のブナの倒木に生えているのですが、夜行くと池周辺の道も非常にわかりづらいですので懐中電灯必携です。

ツキヨタケの撮影は30秒露光でISO感度も上げて、明るめのレンズで、マニュアルフォーカスで撮りました。
スマートフォンや簡易的なコンパクトデジカメだと、撮影しづらいかも知れません。

夜の森の神秘的な光るキノコを、あなたも見てみたいと思いませんか?

乙和池

当館から乙和池への地図

ドンデン山の放牧牛とリンドウの群生は秋の行楽にピッタリ!

リンドウの群生

秋空の中、天気も良いのでドンデン山へと向かいました。
目的は放牧牛に逢いに行くのと、リンドウの群生を見に軽くお花見トレッキング。

両津港から車で約30分程のドンデン山荘に向かうと、途中運が良ければ放牧牛に出逢えます。
草原に牛がいる風景をこんなにも間近で見られることは、非日常的だと思いませんか?(畜産農家さんを除く)
ドンデン山荘からの眺望
ドンデン放牧牛
放牧牛

ただ・・・たまに道路に出ていたり、道路におとしものをしたり・・・交通の面から言うと若干気をつけなければいけません。
牛糞

ドンデン山荘から尻立山へと向かい、その先のドンデン池へと向かうこと30分程。
ザレ場の様子が標高の高さと厳しい環境を物語っています。このザレ場は歩きにくく、かなり斜度もあるので気をつけて歩きましょう。なるべく草の生えているところや、足場のしっかりしていそうなところを歩くようにしましょう。
尻立山
ザレ場

道中にはヤマハハコ(ヤマホオコ)の群生がこの時期見事に咲き乱れています。
佐渡の植物学者の故・伊藤邦男先生はこの花を佐渡のエーデルワイスであると著書に綴っています。
ヤマハハコ
佐渡のエーデルワイス

他にも、ウメバチソウやセンブリ、イブキジャコウソウ、ノコンギク、マルバキンレイカ、ネジバナ、ホツツジ、キンミズヒキ、オトギリソウ、リンドウ、サドアザミ、ツルニンジン、ツリガネソウなど沢山の山野草に出逢えます。この時期はヒョウモンチョウによく出逢います。たまにアサギマダラに逢えることも。
センブリ
ウメバチソウ
ノコンギクとヒョウモンチョウ
サドアザミ
ツルニンジン

さて、お目当てのドンデン池近くのリンドウの群生地へと向かいます。
赤い屋根の山小屋が見えてきたら、もうすぐです。この山小屋の右側に見えるのがドンデン池です。この景色が見えたら斜面を下るわけですが・・・もちろん帰り道は上りになるわけです。山登りに慣れていないと、相当つらいかも知れません。
山小屋

遠目に見ても青い塊が見えるぐらい群生しているので、足取りも軽くなります。
ドンデンのリンドウ大群生。今がちょうど見頃です。
リンドウの群生
リンドウの群生

ドンデン山のトレッキングシーズンは主に早春のイメージが強いのですが、9月も十分愉しめます。
また10月ぐらいになると紅葉が始まりますので、これまた愉しめます。
そして・・・秋には美味しい食材が沢山!果物(おけさ柿、イチジク、リンゴ、ナシ、ぶどう)、旬の魚(アオリイカ、ヤリイカ、ノドグロ、イナダ、アマダイ等)も美味しくなります。10月には各所で地元の祭礼もあります。

いいですよ~秋の佐渡。

当館からドンデン山荘への地図

新潟県のレッドデータ絶滅危惧二類の大白髭草(オオシラヒゲソウ)

オオシラヒゲソウ

佐渡でも局所的にしか見られない、大白髭草(オオシラヒゲソウ)を見に深山へと足を運びました。
オオシラヒゲソウは新潟県のレッドデータリスト(絶滅危惧種のリスト)で、絶滅危惧二類に指定されています。

日本海側の山奥にしか自生がなく、水の流れる半日陰の岩場の上などに生えています。
近縁種の白髭草(シラヒゲソウ)よりも大型で、草丈は20~30cmぐらいになります。

シラヒゲソウ

ウメバチソウの仲間で、咲く時期も環境も似たような感じです。科名はユキノシタ科。
多年草で毎年同じ所に群生しています。今年は少し数が増えたのか、それとも今年が花時期ぴったしに見れたのか、去年よりも花付きが良かったです。

この自生地までの道のりが険しく、しかも前日にかなりの降雨量だったので斜面も崩れやすく、歩きづらいぐらいし長靴は泥まみれ。
落差2mぐらいの沢を登ったり、40°ぐらいの斜面を登ったり降りたり。
それでも、花に出会えるとその苦労も吹っ飛ぶぐらい喜ばしいんですよね。
懐かしい人に逢いに行く・・・そんな心境かも知れません。

自然観察指導員

連れ添いは自然観察指導員の女将(笑)
花を撮影しつつ、帰りにはなめこに出逢いつつ・・・自生地を後にしました。

天然なめこ 原木 自生

佐渡の秋は食べ物も美味しいし、トレッキングするにも涼しいし、紅葉や秋の花にも出逢えます。
妙見山は松虫草(マツムシソウ)の大群生!晩夏のお花見トレッキング
ぜひ!秋の佐渡にお越しください♪