佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の壱
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の弐
佐渡最大の秘境滝 七ツ滝への道 其の参
さて、いよいよ佐渡最大の瀑布七ツ滝(ななつがたき)へと近づいてきました。この大きな釜を超えれば七段100mの落差を誇る、絶景の秘境七ツ滝が待っています。時刻は12:20となっていましたので、七つ滝を眺めながらのランチとなりそうです。もうここまで来ると、不思議と足取りが軽くなってくるのと、難所続きでテンションが上がっているので、どんどん行けそうです。
ここが七ツ滝の一段目と二段目、その奥に見えるのが三段目です。
もうお腹もだいぶ空いていたので、こちらでお昼ごはん。その前に記念撮影。ほぼほぼ行動食的なものと、非常食的なものしか持ってこなかったので、サクッとお昼ごはんは済ませ、滝の右斜面をガツガツと上がります。そこで驚きの光景が。
四段目を登り切ると目の前が大きく開け、勇壮な五段目の滝とその上には六段目、七段目が目前に現れます。今まで見た佐渡の滝の中では、高さはもちろんのこと、その雄大さは写真で表現しきれない程の絶景でした。降りてきてから、しっかりした三脚を持っていくべきだったとか、人物を配しての滝をもっと撮影しておくべきだったとか、いろいろと悔やんでしまいました。
「佐渡にこんなところがあったとは。」
一行は同じ言葉を何度も口にしました。おそらく前日まで雨が振っていたので、水量もあったと思います。下流から上がってくる際には、こんな素晴らしい景色が待っているとは思いもよらず、驚きと感動で思わず涙ぐみそうになるほどでした。
難所を越えてきた一行が、滅多に来れる場所ではないから、いろいろなアングルで見てみようと横から見てみると、どうやら滝の裏見が出来そうな感じです。もちろん飛沫でびしょ濡れ必須ではありましたが、、、ここまで来たら行くしか無いでしょうと一行滝の裏へと潜り込みます。
裏から見た七ツ滝の五段目です。写真を見ても、肉眼で見た感動は表現しきれていません。
広角レンズですと広く撮れるのですが、どうしても全体を写すため被写体が小さく見えてしまいます。ということで、人物を配して撮ってみることにしました。
いかがでしょうか。この滝の落差と雄大さが少しでも伝わりますでしょうか。
滝の裏側に余裕で入れて、滝の幅もだいぶあります。とはいえ、滝の飛沫でびしょ濡れにはなりますが。
続いて言い出しっぺの石塚氏です。この素晴らしい滝へとチャレンジしたい!という気持ちが一番強かったのではないでしょうか。むしろ私は彼の付添のような存在です。彼の感動をカラダで表現してもらいました。「廬山昇龍覇のようだね」と言ったらキョトンとされたので、ここらへんはジェネレーションギャップが否めません。
「この上も行ってみたいね」という言葉に、流石に時間的に厳しいでしょうという判断から下山を選択。また来ればいいじゃないかの言葉に、ワンテンポもツーテンポも遅れつつ、そうだねと。今までで一番過酷な滝への山行となりましたから。さて、下山をするということは、また超えてきた難所を通らなければなりません。
ご覧ください、石塚氏の見事なステミングです。
脳内はミッション・インポッシブルのあの音楽が鳴っていたのではないでしょうか。もし、ズルっといったら顔面から水面へと没入してしまうスリル感。見ている方もハラハラします。
私はウェーダー着用ということもあり、二人よりも足早に前へと進みます。ちょっと二人が見えなくなるぐらい、前に進んでしまったので川に石を立ててみました。ロックバランシングをやるほどの時間はありませんが、自然の中の不自然を創出することが出来たのも記録に収めておきましょう。
さて、ここの釜も結構深いのですが、二人左右へつりチャレンジ。私はウェーダー着用なのでジャブジャブと水中歩行で突き進みます。そしてこの後、、、バランスを崩し石塚氏(左の黄色いウェアの方)まさかの半身水没。きっと疲れと、滝を見れたという安心感もあり、油断もあったのでしょう。10月も末になっていたので、水も冷たかったことでしょう。
途中川が分岐していた先に、小瀑があったのでサクッと撮影。七ツ滝を見た後なので感動は薄いですが、落差3〜4mの割と立派な滝です。七ツ滝を見る前なら、もう少し感動もあったと思われます。
帰路は流石に疲労が限界で、足もあがらず蔓などに足を取られたり、倒木を超えたつもりが足がひっかかったりと、油断していると大怪我をしかねない状況。休みながら行きたいところではありますが、徐々に日没時間へと近づいてきました。
ちょうどその時、足元にいっぱいのワサビの葉っぱ。ちなみに、山葵と書いてわさびと読みますが、深山に生えている銭葵(ぜにあおい)と似ている葉っぱ故に山葵と名前がついたとか。(諸説あり)
わさびは自分の周りに他の植物が育たないように、辛味の成分のひとつであるアリルイソチオシアネートを流出して、生育を阻害します。ただ、自分もこの成分で生育を阻害されてしまうため、この成分が土中に留まらないように水の流れるところじゃないとこれほど大きく育ちません。
徐々に日が暮れ始めてきた頃、川の音に紛れて波の音が聞こえてきました。もうすぐゴールが近いところで水分補給。逆光であるため、目が死んでいるのがわからなくて良いですね。
さて、ようやく入渓したポイントまでやってきました。ここまで無事来れたのも、パーティの山スキルが高かったことや、チャレンジ精神旺盛だったことのおかげかもしれません。ちょっと間違えれば大怪我した場所はいくつもあったはずです。本来であれば、ヘルメット着用や応急処置が出来る医療用具があるべきですが、そこらへんは次回への反省点としておきましょう。
帰る頃にはすっかり外海府の海に夕日が沈む時間となりました。行きに4時間、帰りに4時間という長丁場ではありましたが、無事七ツ滝を拝み、下山することが叶いました。本当に素晴らしい滝ではありますが、万全の装備とガイドがいてたどり着ける場所かと思われます。この記事が少しでも安全と対策に繋がり、秘境の滝への足がかりになれば幸いと思います。
【深山幽谷の秘境 七ツ滝】
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